FX取引で、最もポピュラーな取引スタイルといえるのが「デイトレード」です。1日ごとに取れる利益を確実に押さえていくのがこのFX手法となっており、多くのFXトレーダーが活用しています。
「デイトレーダー」という言葉は、インターネットの発達とともに、一般社会にも浸透しており、投資に興味がない人でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この記事では、取引スタイルから、具体的なデイトレードのFX手法まで詳しくご紹介していきます。
FXにおけるデイトレードの特徴と考え方
デイトレードは、その名の通り、新規注文してから決済注文までを1日のなかで済ませるトレードスタイルの事をいいます。FX相場というのは、毎日そのテーマとなる内容が変化していきます。上昇にも下落にも材料があるという事です。
したがって、1日の取引で一旦ポジションをクローズしておくということは、前日までのセンチメントを引きずらないという点で、常に相場の状況に合わせて柔軟に売買を行うことができる事を意味します。
FX相場は、オセアニア市場から始まり東京市場、ロンドン市場と続きNY市場で一日が終わります。
ですから、デイトレードとは24時間ポジションを保有するという意味ではなく、NY市場が終わる前に決済を行うという考え方が一般的です。
デイトレードとスキャルピングの違い
「スキャルピング」という方法が確立したのは最近のことです。
デイトレードがほぼ数分から半日以上ポジションを保有するのに対して「
スキャルピング」はポジションを作ってから早ければ数十秒、長くても数十分程度の保有で売買していくところに違いがあります。
デイトレードは、より通貨ペアのトレンドを意識した売買となってきますが、スキャルピングはとにかく短時間に薄い利益を上げることが中心となるため、リアルタイムのプライスアクションが重要となります。
ですから、スキャルピングは、必ずしも通貨ペアが向かっているトレンドとの整合性がなくても構わない取引手法であるといえます。
したがって、スキャルピングよりも、デイトレードの方が保有時間の長さから取引回数が少なくなる為、エントリーポイントについて、より気を使うことになってくるのです。
実はFXのデイトレードで儲かっているのは一部の人でしかない
1日単位の売買なのだから、値動きの幅に余裕が生まれてデイトレードは簡単というイメージがあるかもしれません。しかし、FXのデイトレードで儲かっているのは、ごく一部の人だけです。
相場での見かけ上のレベル感ではなく、確実に利益が上げられるポイントでポジションを作ることができる人だけが利益を積み重ねていけるのです。
特に短時間における売買は、売り手と買い手のゼロサムゲームの様相が強く、市場における他のプレーヤーとのボリューム上での駆け引きが基本となります。つまり、誰かが儲かっていれば、誰かが損をしているという事を忘れてはなりません。
「株式投資とは美人投票とにている。」という相場の格言をご存知でしょうか。この言葉は有名な経済学者であるケインズの「美人投票理論」からきています。
この格言を簡単に説明すると、いきなりですが、あなたが「ミス日本」を決める審査員に選ばれました。そして、ミス日本グランプリ(1位)に投票した”審査員全員が100万円の賞金をもらえる”ことになりました。審査員同士が話し合う時間はもちろんありません。さあ貴方ならどんな女性に投票しますか?
個人の女性の好みはもちろんあるでしょう。しかし、この場合100万円という賞金がかかっていますので自分の意見は二の次で「皆が美人と思う女性に投票」するのではないでしょうか。
これは、株式投資もFX投資でも同じことが言えるのです。「自分の思惑」と「相場参加者の思惑」、両方を考えてみる事が、相場の流れについていくための重要なポイントとなります。
今後FX相場が上昇するか?下落するか?は美人投票と同じで「人気投票」で決まります。大衆心理がどちらにあるのかを常に意識しなければなりません。
また、デイトレードを行っていて、「トレンドの発生」に乗り遅れてなるものかと・・突っ込み売りや、突っ込み買いをしてしまう時は誰にでもあります。これは仕方がないことです。
しかし、仮にこれらの注文が間違っていた時に、正しい行動、つまり正しい損切りを行い、すぐに仕切り直せるかが、デイトレードでの勝ち組と負け組を分ける重要な要素となります。
確かにFXのデイトレードで儲かっている人は一部ですが、共通しているのは、「見切りと仕切り直し」が抜群にうまい人です。
デイトレードのポイントは「損失を減らすこと」
毎回のFXトレードで利益を狙うのは当たり前の事でありますが、100回トレードして全勝という人は、超能力者でもない限りありえません。もちろん損切りをしなければ可能ですがやがて破綻します。
FXで全勝が出来ないのであれば、「いかに大きく負けないか」がデイトレードでは重要となります。自主ルールを決めて一定の含み損がでたら躊躇せずに損切りをして、無闇に証拠金を減らさないという行動が、自分を守ることになります。
チャートを見ていて「トレンドに乗っている」と判断し、ポジションを作ったはずなのに、一時的に流れが変わったり、東京時間からロンドン時間に移行するタイミングで、売買の方向感が変化したりといった事はよくあります。相場とは、自分の想定外の事ばかりが起こります。
そのような想定外の事態に、冷静に対処し、損失を最小限に留めるかが腕の見せ所になるというわけです。大多数と同じ考え方が、必ずしも正解とは限らないのです。ですから、自分自身の頭で考える事が大切になってきます。
世の中には様々なデイトレードのFX手法(この記事の最後に紹介しております。)がありますが、必ずしも、「勝率にこだわる必要はありません。」損失を少なく、そして利益は損失よりも多く取る事を心掛ければ自然と利益は残ります。
デイトレードのポジションをつくる”タイミング”が全て
損失を減らすのが大きなポイントと書きましたが、つまりこれはポジションをつくるタイミングを精査することに繋がるともいえます。しっかりと売買方針を立てて、それに基づくベストなタイミングでマーケットにポジションをつくることができれば、勝率は断然高まることになります。
1日の内、どの時間帯にポジションを持つかという選択も重要になりますし、東京時間での売買戦略はそのままロンドンに持ち越しては使えないこともあります。ロンドンタイムの前に一旦クローズして再度ポジションを持ち直してみるといった、細やかな売買の戦略も重要になってきます。
デイトレードといえども1日同じセンチメントで市場が動かない以上、常に「相場の状況にあわせてポジションを作る」といった心構えが必要になってくるのです。
デイトレードで勝率を上げる方法
ひとくちにデイトレードで勝率を上げる方法といっても、そう簡単なことではありませんが、市場の特性をよく見極めることが大切です。
まず、一般的に東京タイムはレンジで動きが緩慢であることが多いです。ですから、東京市場は無視して、本格的に動きが出る、ロンドン時間以降で取引してみるというのが一つ目のポイントとなります。
また、ロンドン以降の時間帯は、基本的に相場についていく、つまり「順張り」が大きく利益を伸ばすチャンスになります。値頃感から迂闊な逆張りをしないというのも重要になります。
ロンドンタイムからNYタイムに入ると、一つ前の相場の動きとあえて逆さまの動きで、ニューヨーク勢が登場してロンドン勢が構築したポジションを、切らされるといったことも発生します。
このようなダマシの動きを避ける為には、プレーヤーが変わる時間帯にはポジションの管理をしっかり行い、事前に利食いや損切りをしておくといった対策を行う事で効率の良いトレードをすることができます。
また、重要な経済指標や要人発言などがある時間帯の前には、ポジションを手仕舞っておいた方がリスクは少なくなります。必要のないリスクはできるだけ避けることが、デイトレードでは重要な行動となり、勝率を上げる為の方法となるのです。
デイトレードに限らず相場が分からない時は入らない
相場の値動きを正確に予測することは困難であり、ましてやレンジ相場では全く分からない事の方が多いでしょう。相場はレンジが7割と言われ、レンジ相場の方が遥かに多い特徴がありますので分からない時の方が多いです。
しかし、毎日トレードを行っていると、とにかくポジションを保有することが目的になり、無理にエントリーをしてしまいます。
継続的に安定した利益を上げるFXトレーダーは、分からない時は、絶対にポジションを持たないのが大原則になっています。私の知り合いのFXトレーダーでも、毎日チャートをしっかり見ていて1か月間ノーポジションだった人もいるくらいです。
つまりこのような勝ち組トレーダーは、「待つ」のもトレードの一部分であり、大切な仕事だと過去の経験から理解しているのです。
こうした発想は、相場で闇雲に負けを増やさないためには大切な心構えです。
相場の世界では、「ポジポジ病」という有名な言葉があり、とにかくポジションをもっていないと落ち着かないといった不思議な病気があります。
この症状が回復しない限りFXで勝つことはできません。たとえ間違っていたとしても、明確な根拠がある、参入タイミングがやってくるまでしっかりと待つという考え方が重要です。
動く通貨ペアを選ぶのは必須事項
基本的に、「スキャルピング」でも同じことが言えるのですが、デイトレードでも、動く通貨ペアを選択することが、利益を確保していくための大きなポイントとなります。
ボラティリティのない通貨ペアは、いくら慣れ親しんでいるといっても利益に限界があります。
したがって、どの通貨ペアで取引するのが良いのかを見極めるには、日ごろからチャートを見て慣れておく必要があります。
例えば、今までずっとクロス円だけで取引してきたのに、明日からドルストレートだけで取引して下さい。と言われても、なかなか出来るものではありません。小数点単位も違いますし、値幅の感覚が未知数では、エントリーでも決済でも戸惑ってしまいます。
日ごろからある程度見慣れた通貨ペアであれば、チャートをひと目見ただけでもその相場状況を掌握することができるものです。
デイトレードのターゲット通貨ペアについては、毎日取引することはなくても、定期的にチャートチェックをし、現在の相場状況を把握しておくことが大切です。
デイトレードおすすめ手法
最後に、デイトレードのFX手法を「5つ」 ご紹介させていただきます。
確実にトレンドに乗りたい!という方におすすめのFX手法です。EMA34とCCI2本を使って、エントリーポイントを見極めます。損切りは-15pipsを目安にして臨機応変に対応。利確はEMA34ブレイク。明確なルール設定によるFX取引が可能となります。
※CCI手法
Pin Barとは長いヒゲのついたローソク足の事を指します。海外では多く取り入れられている形の1つです。シンプルにPin Barだけでエントリーするのではなくそこに一工夫。レジスタンス・サポートを意識することで、勝率の高いエントリーを実現しています。
※Pin Bar手法
2つのプランを持ってエントリーを行う手法です。20MAのトレンドを確認して、直近高値・安値ブレイク後の押し目・戻し目を狙います。ブレイクには飛び乗らずに、「ブレイクした後のライン」まで待つ事で、大きな利益を狙えるエントリーを行うことができます。
※ダウ理論を使ったFX手法
TDIというテクニカル分析と移動平均線を組み合わせたFX手法です。TDIの2本のラインがクロスしてから、エントリーを行います。利益は、トレール注文をして最大限引っ張るので、損益レシオは3倍以上確保。理想的な損小利大のトレードを実現する事ができます。
※TDI手法
グランビルの法則で使われる「EMA200」を用いたFX手法。4時間足、1時間足と順番にトレンドを確認して、15分足の陰線・陽線でエントリーします。ストップ-15pips。リミット+50pips。共に固定しているので、非常に分かりやすく再現性が高いトレード手法と言えます。
※EMA200手法