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8月相場は波乱も多いがレンジになりやすい

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今週は後半にかけて為替相場はますます場が薄くなりそうな状況で「実需」のプレーヤーが、こぞって不在になることから相場に方向感が出にくくなります。
今、市場に残っているのは儲かっていないファンド勢の一部が起死回生で仕掛けにより一儲けしてやろうとする動きや「CTA」などの「アルゴリズム」による取引が主体で、場が薄いことから、少ない資金の投入でも大きく相場を持ち上げたり、下落させたりすることができるのが大きな特徴となります。

一般的に起こるのはショートスクイーズ

CFTC」が5日発表した2日時点の建玉報告によると「CME」の通貨先物市場で「投機筋」のドル円のショートは4万1700枚と前回の3万4958枚から「6742枚増加」しています。また、ユーロドルのショートは10万4103枚と前回の11万2600枚から「8497枚減少」という状況です。

短期の「投機筋」はこうしたショートの保有具合をみながら売買をしていることも多く「インターバンク」のディーラーも含めてこうしたショートのスクイーズ、つまりあぶり出しを行うことも多くなります。
7月あたりからの相場展開を再度思い返して見ますと、参議院選挙後「ヘリマネ」期待とソフトバンクのARM買収に伴う資金需要から、ドル円は一時的に107.500円レベルまで持ち上げられています。
この段階でそれまでにつみあがった一部のショートは一旦きらされていますが、7月29日の「日銀政策決 定会合」の結果後に売り込まれたドル円のコストは、最大に高くても105.50円であり、その後につみあがったショートはそれ以下のコストということになります。
とくに米国の「GDP速報値」が異常に悪くて、同日NYタイムにかけてさらに売り込まれたドル円のコストは103円台が多かったはずで、売りもちしている層もここがそれなりに多いことになります。
「ショートカバー」のスクイーズはこうしたポイントをついて、薄商いのときにショートのあぶり出しを行うことになるわけです。
8月ドル円は一ヶ月を通してみると円高になりがちですが、ショートのあぶり出しがあると一時的に円安に動き、そこから大きく下落するといったこともよく起こるわけです。

短期筋のディールの特徴は必ず反対売買がでること

この時期のこうした下心のあるショートのあぶり出し売買というものがでた場合、一時的に相場が上昇することになりますが「実需」ではない投機主体の売買の場合、買いがでれば必ずどこかで売ることになるため、一方向には動かないのが大きな特徴となります。

これは下落するときも同じで、これまでの相場の底を突き抜ける瞬間があったとしても、また買い戻されることになるため、後からみると全体として「レンジ相場」になることがほとんどとなるのです。
どの通貨ペアでも7月からの上限と下限の動きをよく見直して見ますと、どこまで上昇し、逆にどこまで下落するかの見当がつくようになるのです。この場合、市場参加者がどのあたりに損切りのポイントをおいているのかを推測することも重要になります。
アルゴリズム」を除いては、この時期に休みもとらずに仕掛け売買をしてくる連中は儲かっていない輩は、できるだけコストをかけずに利益をとりにくる動きをしますので、全体としてはどうしても短期間に利益を稼げる下落にかけてくることが多くなるのも、夏相場の下落の元凶にもなっているといえます。
実際、この時期にポジションをとらなくても、こんな推測をしながら相場を眺めてみると自分の想定したことが「投機筋」が思惑で仕掛けてきた動きとマッチしたか、ギャップがでたかがわかり、結果としていい勉強になることがあります。
為替市場は相場にあるポジションと「市場参加者の心理戦」でもありますので、チャートの裏側に潜む相場の状況がどうなっているのかを常に意識しておくことは、かなり重要な作業であるといえます。
今週は11日が山の日で、8月としてははじめての平日の休日が設定されていますが、翌日はSQがありますから、また「投機筋」の思惑による売買が出る可能性があるといえます。
ただし、日銀の「ETF」買いも倍増していますから、簡単に株式相場を下落させられる状況でもなく、為替を連動させて売り浴びせをしてもどこまで下がるかも大きな問題となります。
このあたりも予想しながら売買をしてみると、意外に楽しめる時間をもつことができるかも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎
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