「日銀政策決定会合」については今回はほとんど見送られる可能性が高まっていますが、株価対策で「ETF」の増額や上限設定の撤廃といった支援サプライズが起きると予測する金融アナリストの発言も目立ちはじめています。
会見におけるちょっとした言い回しの変化や誤解されるような言い方次第では、必要以上に相場が動く危険性がでてきています。
今回は4月以降の消費税上げ支援のために追加緩和は見送る可能性が高いわけですが、まさかの「量的追加緩和」さらなる「マイナス金利」を導入した場合、「ECB」の決定と同様に材料出つくしを見られれば一旦ドル円が上がることがあっても、そこが絶好の売り場となる可能性がでてきてしまいます。
また、ここ何回となく上昇機会があっても1回も「114.89円」を抜けないドル円は日銀の決定で上昇したとしても、116円方向に大きく抜けていかない限り下方向に下落する可能性のほうが高く、株価とは別の動きで下値を目指すという動きも視野に入れる必要があります。
イエレン発言次第では相場が大きく動く可能性も
「ECB理事会」の決定もそうでしたが、「中央銀行」の政策決定内容自体よりも、その後に開催される記者会見で総裁や議長といった役職者が発言した内容に大きく相場が動く展開が続いています。
市場の予測ではすで3月の利上げは90%以上見込まれていませんので、ここで利上げが起きればそれが最大のサプライズになります。
何もなくてもその後の会見で6月以降の利上げに言及したり、強気の発言がでることになると、まず株式市場が大きく嫌気して相場の下落が進み、逆に「債券」が買われることにより金利が低下することが見込まれることから、ドル円は下落方向を意識することになります。
また「新興国市場」は、米国の追加利上げ観測が後退していたが故に比較的株も為替も安定した状況になっていますが、これが再度利上げ観測を高めることになるといきなり安定した状況が大きく変化することになり要注意となります。
現状では「原油価格」が一旦収まりをみせていることと、中国関連で大きなマイナス報道がでないことが比較的相場を安定させています。
しかし、米国利上げ意欲が再度鮮明になることで、かなり相場の状況には変化が訪れるのは間違いないようで、そういう意味でもこの時期の「イエレン議長」の記者会見での発言が相場を大きく振らせることになるかどうかかなりの注意が必要です。
投機筋は年間2回までの利上げを許容範囲として想定
米系の「ヘッジファンド勢」は年間2回までの利上げは致し方ないものとして既に織り込んでいるようですが、0.5%を超える利上げが起きた場合、新興国投資からかなりの資金が引き上げられるとしており、ここから先の「FRB」サジ加減次第ではまた大きく相場がゆり戻されるリスクが高まりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)