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FX相場下落の最大の原因はFRBか?

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昨年の4月、グローバルマクロの運用で有名な世界最大の「ヘッジファンド」であるブリッジウォーターアソシエイツCEO「レイ・ダリオ」が「現在は1937年頃と同じ状況で米国は利上げを急ぐべきではない」との見解を示しました。
この指摘は、利上げ以降米国経済が単なる不景気ではなく大型の悪循環の到来を示唆するものでしたが、実際に利上げをして年が明けてみたら、本当にその警告に近い相場状態が示現した事に海外ファンドは、危惧し始めているようです。
市場は、今の相場の下落が一時的な下押しではないとの見方も広がり始めているようです。 

では、1937年とはどんな年だったのか?

米経済が大恐慌から立ち直ったこの1937年、景気の状況は2015年よりもはるかに良好な状況でしたが、金融当局は金融引き締めに踏み切ったところ、その直後から株価が5割も下落する事になりました。

その後、利上げが時期尚早だったことが分かり、リセッションに陥る中で後戻りを余儀なくされたのが、この年の相場だったのです。
大恐慌後から8年を経てやっと株式市場は回復したものの、「FRB」が引き締めに転じたこの年を境に再び急落したわけです。
しかもその回復には8年の歳月を要することとなり、挙句に「世界大戦にまで突入」してしまうという実によろしくない選択を矢継ぎ早に展開するきっかけを作った年でもあるのです。
レイ・ダリオ」の指摘当時は、0.25%程度の利上げがそこまでは影響しないとの指摘も多く聞かれましたが、年明けからの世界的な市場の下落は、中国や原油価格といった個別事象のみならず、「FRB」の利上げが色濃く影響しているのではないかという見方を強める結果となってきております。
特にヘッジファンド勢が下落局面での買いに消極的な状況にある事も相場を停滞させているようです。

コモディティと株の両方が下落したのは1929年以降の時代のみ

現状の市場は「コモディティ」と株の双方が下落するという、きわめてセンチメントの悪い相場状況が継続しています。

この二つが同時に下落するというのは、1929年の大恐慌以降から1937年に回復するまでの数年間に見られた相関的兆候であり、こうした状況もファンド勢が、1937年の再来を意識させられる大きな要因となっているようです。
CRBコモディティ指数と米国株の動きは大恐慌まで何の相関性もなかったにも関わらず、1929年以降相関が生まれたというのは実に嫌な状況の近似状態となっているのです。

米国の株価は既にピークアウトの過程にあるとの見方も

年明け以降、米国の株価も日経平均もドル円もとにかく下げを加速してはいますが、大きな下げを示現してはいるものの、過熱感をもって大暴落するというよりは日々下落を持続する動きになっています。

多くの市場参加者が損切りできないままに、相場だけズルズルさがる様相を呈し始めていることも気になるところです。
とくに米国の証券市場に関しては、既にピークアウトしてしまっているのではないかという見方も強まっているようで、個別の金融相場で流動性が著しく低下しつつあるのもこのような背景があるからのようです。

サマーズとガンドラックは強烈なFRB批判を展開

近年の先進主要国を牛耳る「MIT学派」の理論的支柱とも言われる「ローレンス・サマーズ」元財務長官は、下記の発言をしております。

「リスクは著しく下振れ方向に傾いている。株価や成長の弱さを見れば、年間に4回の利上げに世界経済が耐えられるとすれば、それは驚きだ。」
このように、利上げ前提に動こうとしている「FRB」の動きを痛烈に批判しています。
また新債券王の異名をもつダブルラインキャピタルのCEO「ジェフリー・ガンドラック」も、FRBの利上げにより、「第一四半期から米国経済はダメージを受け、株価は下落する」と警鐘を鳴らしていました。まさに、その状況が示現し始めていることから改めて注目を集め始めています。
こうした指摘は利上げ前には様々な見方のひとつとしてしか捉えられてきませんでしたが、中国や原油という個別事象が色濃く影響しているとは言え、これだけ株式相場がコンスタントに下落を継続するとなると、市場参加者がFRBのオペレーションに大きな不安を持つようになるのは当然です。
ですから、市場が相場下落の最大の原因はFRBではないかと危惧し始めるのも当然の動きといえます。
特にこの利上げがリセッションのボタンを押してしまったのではないか?との不安はファンド勢を中心に高まりを見せているようで、上海市場の下落や「サーキットブレーカー」の発動などは欧米の投機筋の投資意欲をさらに減退させることにつながっている状況です。

本格的下落相場入りなら戻り売りに終始すべき

為替相場の動きでいいますと、テクニカルチャートを含めて年明けの下落局面の中でもすでに下値を拾う買い場の局面が示現されていますが。

超短期のロングはいいとしても、この1937年の示現が正しいのであれば、基本的には徹底して戻り売りに終始するエントリーが求められる状況に差し掛かってきているといえます。
とくにドル円などは、妙に過熱感のない動きで適宜小さなショートカバーを繰り返しながら下落の道をたどっていますので、この動きにうまくついていくことが必要になります。
現在国内の個人投資家は、海外の投機筋が円ロング、つまりドル円を売りにしているのに対し、116円台などの下落局面ではしっかり買い向かいしており、あきらかに市場へのエントリースタンスが異なってきていることが明らかになってきています。
戻りの限定的な相場でのロングの増加は、それ自体が重しになって相場を下落させる可能性が高く、ショートカバーも出にくくなるいうデメリットを発揮することになってしまいます。
買い下がりと戻り売りのどちらが正解なのかは、じきにその結果が現れるものと思われますが、どうも現在の相場状況が単なる調整局面ではない可能性があるという見方についても理解しておくことが賢明といえそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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