「CFTC」が2日発表した29日時点の建玉報告によりますと、「CME」の通貨先物市場で投機筋のドル円のロングは269枚と前回の1万900枚のショートからとうとうロングに転換しはじめていることがわかります。
すでにこのコラムでもご紹介しているように20日のNYタイムの終わり値でドル円の20ヶ月移動平均より少しだけ上に飛び出る形で終わっていますので、ますますファンド勢がドル円を売りから買いに転換している可能性が高まっています。
この「IMM」の通貨ポジションは昨年12月以来ずっと投機筋のショートが溜まり続けてきましたが、ここへきてやっとロングへ転換していますから、まだまだ上昇の余地があることがわかります。
イタリアの国民投票で下げれば絶好の買い場
イタリアの国民投票はどうなるかまだわかりませんが、投票結果後のレンツィ政権の動きも関係がでてくるため予断を許さない状況が続きそうです。
ただ、これでドル円が円高に動いた場合には、絶好の買い場となる可能性が出てきており、どこまで下げるかをよく見極めたうえでエントリーすることが重要になりそうです。
2日の「雇用統計」後の下落でも113円台中盤から初頭にかけてはっ相当な買いが並んでおり、さらにこれを下落しても買い下がる向きが相当存在することから年末にかけてのドル円はロングがぱんぱんに膨れ上がるまでは当面上昇してしまうことが予想されます。
クリスマスイブの前あたりに120円をつける可能性も
すでに115円の一歩手前まで上昇しているドル円ですから、まずは115円台に乗せる動きをしてくることはほぼ間違いないものと思われます。
フィボナッチリトレースメントでみますと昨年6月の高値と今年の最安値を結んだ61.8%戻しが115.384円にあり、奇しくも一目均衡表の雲の上限も同様のレベルに存在することから、とりあえずのターゲットはこのあたりになりますが、これを抜けると上方向にかなり短期間に走る可能性もあり、「FOMC」もお構いなく上昇する危険性が高まっているといえます。
上昇のスピードは明らかに速すぎだが戻り売りは禁物
ここのところの相場状況を見ていますと、ほとんどの大きな上昇はもちろん買いによるものが主体ですが、その一部は「ショートカバー」がついて吹き上がるケースが多く、調子に乗ってそれに買いでついていくと高値で取り残されることが頻発しはじめています。
一般の投資家はあきらかにこの上昇に買いではついていけていないようで、一回噴くとそこから戻り売りも結構でてくることからショートが溜まったところで再度買いあがるという繰り返しになりそうです。
依然として個人投資家はストップロスをおかずに戻り売りをしている人たちがほとんどのようで、下落してくると買い戻しをかけてくることから、相場はまったく下がらない状況が続いています。
この循環が続く限りは、当分相場は下がらないはずで、何回か繰り返しているうちに120円が目前になる可能性は十分にあるといえます。
現状ではスキャルピングならば戻り売りでも多少はとれますが、とにかく大きく下がりませんから、しっかりストップをおいて買い向かうほうが確実に利益をあげられます。
ここまでくると値段をターゲットにしないほうがいい
ほとんどのトレーダーはドル円がどこまであがるかを気にしていますが、こういう相場になりますと、もはや値段をターゲットにするのではなく、上がるときについていき結果で出てくるのが値段であると割切ったほうが妙なプレッシャーもかからずにスムーズに取引ができると思われます。
プライスアクションをみていますと、114円台でも買えるタイミングはかなりありますし、113円台ではいくら下攻めをしても下がらない動きがはっきりわかります。
こうしたタイミングにとにかくタイトストップロスを入れて買いから入りますと、1日に1円から2円近く取れる日が続きますので、ここで稼がない手はないものと思われます。
100円でも115円でもストップを30銭下においておけば値段の高い低いは関係なく損失は一定です。この感覚をもてないかぎり今の相場は常に高値を買う場面の連続となりますので、割切った売買が必要になります。週明けはいよいよ115円超の世界へと突入することが期待されます。
(この記事を書いた人:今市太郎)