MACDは国内の個人投資家には非常に馴染みの深い分析方法であり、殆どの国内FX業者はトレーディングプラットフォームに実装しているテクニカル分析となっています。
MACDはオシレーター系の分析方法として分類されることが多いですが、実はトレンド系でもあるといえるのです。それでは、その中身についてご説明していきましょう。
FX投資家によく知られているMACDとは?
MACDは「MOVING AVERAGE CONVERGENCE/DIVERCENCE TRADING METHOD」
という長い名前を略して頭文字で呼ぶようになったもので、2本の移動平均線を用いて表示されます。
一本はMACDそのもののライン、もう一本は「シグナル」と呼ばれております。
MACDの算出は、「指数平滑移動平均」の「長期平均」と「短期平均」を使い、短期平均から長期平均の引いた値を繋いだラインがMACDとなります。
一方こうして算出されたMACDの値の「一定期間分単純平均」を施したものがシグナルと呼ばれるラインです。この2本のラインの位置関係で相場の状況を推測していくことになります。
以下の図でいうと「赤い線がMACD」で「青い線がシグナル」となります。
MACDの見方について
MACDは、2本のラインの傾きや位置関係を見ながら、トレンドとを推測していくことになります。
MACDの代表的な売買シグナルとして2つの見方があります。
1.ゼロラインよりもどちらに位置しているか?
上昇トレンド時には、MACDのゼロラインよりも上に位置していることになり、上昇が一旦終われば、MACDのラインはセンターラインへ引き寄せられることになります。
そして、そこから下降に転じれば、ゼロラインよりも下に動き出していきます。したがって、MACDが現在位置している場所を見るだけで、相場の傾向を掴むことが可能になります。
2.ゴールデンクロスとデットクロス
2本のラインの位置関係を見ると売買ポイントが見えてきます。MACDがシグナル線とクロスして上抜けることになれば、買いのタイミングとなります。これをMACDの「ゴールデンクロス」といいます。
逆にMACDがシグナル線とクロスして下抜ける事を「デットクロス」言い、売りのタイミングとして利用されています。
ゴールデンクロスととデッドクロスは、テクニカル分析の基本とも呼べるものであり、相場の転換地点として捉えられております。多くの投資家が使っている売買サインです。
MACD使用の注意点について
MACDはオシレーター系の他のテクニカル分析と同様で、短い時間足だけで判断すると騙しが多くなってしまいます。ですから、長い時間足と平行してチェックしていくことが重要となります。
特に、高値や安値を更新するといった、大きな動きが出た場合は、どうしてもMACDが後追いになって表示されます。このような場合は、正確な判断が困難になりますので十分な注意が必要となります。
移動平均線ベースで作られているため、一般的なオシレータ系よりも早く売買のタイミングが表れるのがMACDの良いところですが、単独で使用するのは難しいです。
したがって、他のオシレーター系やトレンド系の分析方法と組み合わせて、使っていくことが確実な利用法ということが言えそうです。