読み込み中...新型コロナウイルスの感染が比較的早く収まるのではないかという期待は依然として株式市場を中心にして根強いものがあります。
米国ではビルゲイツの財団が創立したInstitute for Health Metrics and Evaluation・通称IHMEと呼ばれる米国ワシントン大学保健指標評価研究所が発表している、米国の感染予測が4月中にピークを迎えるという予測がかなり広範に出回っているようです。
トランプ大統領が自信をもって「5月初旬に経済活動再開を宣言する」という話しも、実はこれに結構依存しているのではないかといった話がではじめています。
Data IHME
これによりますと、4月中にピークを迎え、確かに5月から徐々にピークアウトするような予測になっていることがわかります。
この予測どの位信ぴょう性があるのかはまったく検証する余地がありませんが、実はこの情報をビルゲイツからいち早く受け取ってデルタ航空の追加購入を行ったのがウォーレンバフェットだったのではないかという説が流れています。
バフェットは米国内の米エアライン大手、デルタ航空株を2月に買い増ししたものの、その後大きく株価が下落したことから4月に入って異例の損切に及んでいます。
いつもなら買ったままホールドしておくはずのバフェットも新型コロナの先行きはどうも見誤ってしまったようで、それなりの損失を被ったようです。
「弘法も筆の誤り」といったところでしょうか。冷静に考えますとそれぐらい難しい相場に入っているということなのかも知れません。
新型コロナの収束イコール経済の回復ではない
とにかく経済の回復感を醸成したいトランプ大統領はすでにピークは越えたと言い出しており、さらにここ一両日中にも5月の経済再開を高らかに宣言しかねない状況です。
100年前のスペイン風邪以来の大規模パンデミックで、しかも治療の処方箋が確立しているわけではないのですから、いつこのウイルス感染が終焉するのかを予測するのはかなり難しいものがあります。
迂闊に予測データに乗ると大失敗しかねないところにあることだけは相当肝に銘じる必要がありそうです。
とくにコロナ感染が収束しても経済の収束はかなり時間がかかりそうで、NY市長は1.5年程度をリードタイムと見始めているようです。
つまり感染さえ収束できれば経済は速やかにもとに戻ると考えること自体に無理がある状況は明らかになりつつあるというわけです。
金価格の上昇は相場に何かが起こる可能性を示唆か
足もとの相場ではドルベースの「金価格」が大幅に上昇し始めています。
だいたい過去の事例を見ますと金価格が大きく上昇した場合には必ず相場に異変が起こるわけで、今回の場合ですとやはり上昇しすぎている株価にさらなる調整が入ることを示唆している可能性が高そうです。
一部のアナリストは「米株に二番底は来ない」といった予想をしていますが、金価格の上昇はあきらかにこの先の相場の不穏な変化を知らせるものになっているようです。
リーマンショックの時もそうでしたが、大きな下落から回復して35日から40日程度で次の二番底を目指す動きがでていますから、今回が全くそれを同じ動きになるかどうかはわかりませんが、時間的に下値試しがあることに注意すべき状況です。
為替市場のほうはドル円もかなりじりじり下値を試す動きになっていますが、さすがに下方向を意識した市場参加者が多いことから売っても下げ切らずに結局米国で悪い経済指標がでても一旦ショートカバーがでるという判りにくい動きを示現しています。
しかしここから買いあがる材料はほとんど見当たらないだけに、常に売り目線をもちながらエントリータイミングを計りたいところとなってきています。
株も為替もまだまだ相場はこれから荒れることが予想されます。とにかくあまり楽観的になりすぎない姿勢が重要です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
