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米国の為替介入は本当にありうるのか?

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いよいよ参議院選挙も終了し、トランプの対日攻勢が厳しくなるのではないかといったコラムを先週掲載しましたが、市場では今もうひとつ話題になっているのが米国による為替介入の実施です。
長く為替市場にかかわってきた人たちは口を揃えてそんなことはあり得ないというわけですが、トランプが旗を振っているわけですから、介入の可能性が全くないとは否定できないのもまた事実で本当に介入するのかどうかに注目が集まりつつあります。
直近の介入ということでいいますと東日本大震災の直後に円高が異常に進んでしまったさいに協調介入という形で介入した実績はたしかにあります。
しかし、米国が自国の通貨安のために単独で為替介入をするというケースは確かにほとんど見たことも聴いたこともないわけで、とくに基軸通貨であるということに加えて、強いドルというものを一応は米国財務省も長く押し出してきているわけですからかなり違和感のあるものであることは間違いなさそうです。

介入ならユーロドルか

ここからはもしもという話になるわけですが、仮に米国が介入するとなればドルインデックスに大きな影響を与えるユーロドルのドル売りという可能性がもっとも高くなりそうです。

ただし、ユーロの場合EU側も対抗して介入を行うリスクがかなり高くなることが予想され、最初はかなりのインパクトを持って介入の成果が出たとしても先に行って押し戻されるリスクはかなり高くなりそうです。
ただこの場合でもドル円に対する下落インパクトは相当強いものになることが予想され、簡単に年初のフラッシュクラッシュ時に104円を下抜けしかねないところまで相場が下落することが考えられます。

ドル円に直接介入された場合100円下抜けか

一方ユーロドルではなく、何も反撃をしてこないいわば言いなりのドル円に直接介入を行った場合にはその影響はさらに大きくなることが予想されます。

もちろん介入金額規模にもよりますが、初回の米国の為替介入の場合金額規模よりも米国が単独で介入をしてきたという事実のほうが大きくとらえられることになり、市場は恐らく相当な過剰反応を見せることなるものと思われ、その後はどのレベルが水準として認められることになるのかが非常に大きなポイントになってくるものと思われます。
この為替介入説に関しては依然として懐疑的な立場をとる人達が多いのも事実ですし、本当に介入するのかという話になるとたしかにクビをかしげる所も多くなります。
しかし、すでにモルガンスタンレーに加え、ゴールドマンサックスのアナリストまでもがその可能性が否定できない、大変なワイルドカードになると予測していますので、まったく可能性のないものとして認識するのは危険であろうと思われます。
また8月には詳細が詳らかになると思われる日米通商交渉の結果を含めれば日本は円をさらにドルに対して円高にせざるを得ない状況に陥ることはほぼ間違いなさそうで日本政府自体が介入に参加するなどというまったく想定外の事態が起きないとはいえない所に来ているようです。
実際為替介入というのはきわめて一時的なもので為替水準を一定に下げるために有効な方法とは言えませんが、来年の大統領選挙に向けてトランプができることはなんでも仕掛けてくることになればまったくあり得ないものではなさそうで、かなり注意が必要になりそうです。
一般的に米国が介入に踏み切るとなれば当然NYタイムがターゲットになるものを思われますので、海外時間というのは相当注意すべき時期になってきていると思われます。果たして米国はどのようなアプローチをしてくるのかに注目が集まります。
(この記事を書いた人:今市太郎
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