いよいよ年度末、3月末が近づきつつありますが、どうも相場のほうはさえない状況が延々と続いており、明確に3月末までのテーマと思われていたものがどれもこれもはっきりいしなくなりつつあります。
昨年末あたりにはすべて3月で型がつくと思われた事案がどれひとつとして決着していないことが相場を大きく停滞させる原因にもなっているようで、ここから果たしてどうなるのかが注目されます。
米中首脳貿易協議は本当に進んでいるか?
3月中には結局首脳会談の開催はなくなってしまった米中貿易協議ですが、トランプはなにかとツイッターで協議が前進しているかのようなことを口走っているものの、知財関係については中国が姿勢を後退させているとの関係者の発言も飛び出しており、どうもすんなり決定するような状況には至っていないことが垣間見られる状況になっています。
市場は一旦米中合意をかなり織り込んでしまいましたから、ここからやはり合意延期となった場合には、相当売り戻しが出る可能性もあり4月以降のタイムスケジュールが非常に気になります。
英国のBREXITは期日延期だけの闘争に
毎度呆れながらご紹介している英国の「BREXIT」ですが、とうとう延期がいつまでかだけが大きなイシューになってきており、延期すればハードボーダーなどクリティカルな要件になんらかの適切なソリューションを見いだせるかという話が完全にどこかに置き去りになってしまっています。
したがって報道ベースでアルゴリルズムが買い上げたり売り飛ばしたりの投げ踏み応酬合戦の頻度がさらに高まるだけで、冷静に考えますと一体市場参加者でコンスタントに儲かっている輩はいるのか不思議になる状況に陥りつつあるようです。
本邦の個人投資家は当初結構この市場に参入したようですが痛い目にあった方も多かったのか2月はだいぶポンド円の取引が減っており、足元の相場はやはり冷めた状況になりつつあるようです。
英国で商品を製造するようなメーカーはこうした茶番劇のような政治主導のスケジュール闘争にさすがに我慢ができなくなっているようで、既に英国からの撤退を決めるところが多くなっているのが実情で、リアルビジネスは英国議会の体たらくを見限り始めていることがわかります。
こうなると期限延長がどうなろうともポンドは大きく売られる運命にありそうで、為替の世界ではもはやそのタイミングをどうとらえるかの問題になりつつあるようです。
すっかり話題にならない北朝鮮
鳴り物入りのお祭り騒ぎと化したハノイの米朝首脳会談は、結果なんら進展なしの状況で、金正恩サイドが核廃棄の交渉を断念するかもしれないなどと思惑めいた発言を流して米国を揺さぶろうとしていますが、どうもボールは北朝鮮にあるようには見えないのが実情で、さまざまな陰謀論も飛び交いはじめています。
この問題で金融市場がどこまで動くことになるのかもかなり不透明で、ミサイルが飛んでくれば一時的に円高になることも考えられますが、相場のテーマからは一旦脱落してしまったようにも見える状況です。
このように本来はこの3月までに決着がつくと思われた事案が何一つ進展しておらず、本質的には多数の問題があるにも関わらず為替市場はテーマを失っているような動きを継続中です。
本邦では4月になれば新たな投資資金が投入されるので、これまでとは異なる動きがでることになりますが、実際の投資が始まるのは4月後半以降、さらに今年はゴールデンウィークが異常に長いことから実質5月中盤以降でないと明確な動きが市場に現れることはなさそうです。
当面この煮え切らない相場に我慢する時間が続くことになるのかも知れません。残念ながら専業投資家にとってはかなり苦難の春相場となりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)