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中央銀行の役割と存在意義をあらためて考える

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中央銀行は国の金融政策を司る専門の機関として、これまではどこの国でもほぼ同じような機能を果たしてきました。
しかし2008年の世界的な金融危機(いわゆるリーマンショック)以降は日米欧の主要国を中心として、その機能は他の新興国などの中央銀行の政策とは違い、独自路線の中で大きく変化しつつあります。
とくにここ数年の政策内容は過去に類を見ないものになっており、よくも悪くも中央銀行のアクティビティが景気と金融市場に多大な影響を及ぼす存在になっているのです。
今回はそんな中央銀行の役割と存在意義について改めて確認していくことにいたします。

中央銀行の役割

各国に設置されている政権とは便宜上独立した組織である中央銀行は、物価の安定、経済の自足的な成長のために金融政策を執り行う専門の機関となっています。

独立した国には必ず中央銀行というものが存在しており、独自の金融政策を展開しています。
具体的には、物価が上昇してくるとその安定のために政策金利を上昇させることで引締めを行いますし、逆に景気が悪くなれば政策金利を下げることで経済の活性化を推進するというのがいわゆる伝統的な中央銀行による政策の基本的な手法となっています。
具体的な金融政策にはさまざまなものがありますが、総じて言えるのは、「出回っているお金の量をコントロールする」ことで景気を調整するのが主な役割となります。
しかし足元では先進国の中央銀行はさらに踏み込んだ、これまでの資本主義社会では見られなかったような非伝統的な金融政策も執り行うようになっており、いまやその政策自体が経済や金融市場に大きな影響を与えるようになってきているのです。

伝統的な3つの機能

中央銀行は各国によって微妙にその役割が異なる部分もありますが、概ね次のような3つの機能を有しています。

①お金の発券銀行

ほとんどの中央銀行は国のお金を発券する役割を担っています。お金を発券する銀行は発券銀行などと呼ばれますが、ほとんどの中央銀行がその発券銀行の役割を担っているのが現状です。

ちなみに日本では紙幣は日銀が発行しますが、効果は政府の造幣局が発行していますし、米国ではFRB、欧州ではECBがその機能を担っています。

②銀行の銀行

中央銀行は自国内に設立されている民間のいわゆる市中銀行専用の口座を開設しており、市中銀行から預金を預かったり、他の民間銀行への貸出を行っているほか、民間銀行どうしの決済の仲立ち機能も果たしています。

また市中銀行から預かる預金の金利を変更したり逆に貸し出し金利を変更することで市中に出回る資金を多くしたり少なくしたりといったコントロールをする役目を担っているのです。
こうした機能を有することから中央銀行は「銀行の銀行」などとも呼ばれているのです。

③政府の銀行

中央銀行はさらに政府からの委託を受けて国の資金管理も行っています。

税収の管理や国債により調達した資金を公共事業に投資したり、公務員給与に充当したり国債の償還に関する事務作業、外国為替の決済処理などが主な業務となっているのです。
日本ではこうした機能はすべて日本銀行が担当しています。そのため中央銀行は「政府の銀行」とも呼ばれています。

2008年の金融危機以降日米欧中銀の機能は大きく変化

2008年9月にリーマンブラザーズが破綻したことをきっかけとして発生した世界的な金融危機に際しては、当時既にバーナンキに議長職を譲った前FRB議長であったグリーンスパンが米下院の監視・政府改革委員会の公聴会において「100年に一度の世界的な危機であり、消費と雇用への影響は避けられない」と証言したことから話は大ごとになりました。
もともとは金融機関が引き起こした危機であったもののFRBが全面的にその解決と市場の安定化のために全力を挙げてその対応に乗り出すこととなったこととなり、このあたりから先進主要国の中央銀行が行う金融政策の内容が大きく変化することになったのです。
こうして、FRBはいわゆる伝統的な政策のみならず、これまで手掛けたことのないような非伝統的な手法も次々市場に打ち出すことになりました。
但し、こうした政策は実証経験のないものも含まれており、その功罪について正確に評価されていない政策も含まれている点が非常に危惧されるところとなっており、むしろ問題はこれから発生するという見方も強まっているのです。

中銀自体が積極的に金融資産を買入れする状況に

リーマンショック以来、日米欧の中央銀行は政策金利の低下に留まらず、自ら資産の買い入れを積極的に行うようになり「単なる金利の調節」だけから、より積極手的に資産買い入れを行うことで市場への潤沢な資金の放出を実施するようになりました。

まずこれをはじめたのはFRBですが、今ではECBも日銀も同様の買い入れを行うようになっており、その規模は過去には例を見ないほど大きなものになっており、市場にはかつてないほどの流動性が示現することとなりました。
日本でも2013年4月から日銀は「質的量的金融緩和」と称して資産の買い入れを行うようになっており、国債はすでに市場に出回るもののほぼ半分、株式についてはETFという形で買入れを行っております。
すでに時価総額は2010年以降に購入をはじめてから「23兆円」あまりになっている状況で、今年日銀の買入れ資産規模はとうとう国のGDP額を超える規模の549兆円弱になりつつあります。
日銀の場合は、事実上ほとんど政権に対して財政ファイナンスを行っている状況で、物価の上昇率以下の金利に延々と抑えるという、いわゆる金融抑圧政策の実施
により1100兆円にまで膨れ上がった借金を減額する動きを延々と続けています。
過去20年以上ほとんどゼロ金利を継続してきたことで、多額の債務を抱えても政権が財政破綻せずに予算を組んでやってこれたのはまさにこの日銀の政策のおかげであり、巷ではこの政策には出口が最初から設けられておらず、行けるところまで行くしかない非常に厳しい政策であるという指摘もではじめています。

マイナス金利の適用

また日、欧の中央銀行はこのリーマンショック以降はじめてマイナス金利を適用し、民間銀行に課し脱脂する金利にマイナスを適用するなど、これまでの資本主義ではおよそ考えられないような政策も打ち出すようになっています。

これはケインズが生きていたら目をむいてびっくりするような政策であり、ゼロ金利までは想定内でしたが、現実にマイナス金利が実施されるようになるとは多くの市場関係者も想定していなかった政策になっている状況にあります。
また日銀の場合はそれだけでなく長短金利を自ら完全にコントロールを始めており、それまで日銀のホームページにも短期金利は中央銀行がコントロールできても長期金利はできないとしてきたものを明確にコントロールし始めるといった驚くべき政策も実行しはじめています。

金融市場の動向は日米欧主要中銀の政策内容次第に

結果として金融市場は日米欧の中央銀行が過去に類を見ないほどの金融緩和を行ったことから、過剰流動性が確保されることになり、金利がほとんどゼロベースの状況下であらゆる資本市場と新興国市場に資金が流入す

ることとなり、ここ数年ですっかり「中央銀行主導のバブル経済」が成立するようになってしまったのです。したがって中銀が緩和から引き締めに動くと市場はそれに大きく影響されるようになっていることがわかります。

人工的な値付け相場は未来永劫続かない

足元の相場は中央銀行が自ら人工的に相場をコントロールし値付けを行うという過去には類を見ないような特殊な相場状況となっており、ここ数年であらゆる資本市場にバブルの状況がみられるようになっています。

これは2000年のITバブルや2008年の不動産市場を中心としたバブル相場とは大きく異なるものであり、未来永劫には続かないことが非常に危惧され始めています。
実際、現実には米国はすでに金融緩和から出口に明確に向かっていますし、ECBも2019年夏をめどに利上げを検討し資産の買い入れは既に終了を決定しており、この人工相場がいよいよ終焉に向かおうとしていることが非常に気になる状況といえます。

新興国中銀は利上げ以外に打つ手なしの状態

FRBの利上げが開始され始めてから、これまで異常とも思われた過剰流動性が徐々に元に戻り始め、新興国では信用収縮がはじまり多くの資金が米国に回帰しはじめている状況で、一部の新興国はインフレが止まらない状態が始まっています。

こうした国々の中央銀行は政策金利を大きく上昇させるといった手段を講じていますが、他にこれといった対抗策を持たないだけに金融政策は非常にむずかしい局面に入りつつあります。

中銀発のバブル崩壊を救うのは結局中銀だけ

過去のバブル経済は特定のセクターだけで発生したものだけに市場に大きな影響がでても中央銀行が乗り出せばなんとか回復させることができるものといえました。

しかし現在の中央銀行主導のバブル相場はあらゆる市場にその影響が広がっており、しかも市場最小の参加者により引き起こされている全方位バブルです。
一度この状況が崩壊することになっても、民間で立て直すことはできず、中央銀行が自らの力でなんとか修復を図ることを考えなくてはならない点が非常にやっかいな状況になりつつあります。
今のところ中央銀行バブルは崩壊を先送りする状況が続いていますが、決定的な状況に陥ったときに対応できるのがその中央銀行しか存在しないのが現状であり、この次の大幅な相場の暴落が起きた場合にどのようにしてリカバリーが行われることになるのかは非常に大きな問題になりつつある状況です。

独立性が担保される中銀だが実際はかなり微妙な存在

中央銀行は常にその国の政権、政治とは完全に分離した独立した存在と言われています。

しかし、もともと中央銀行の長の任命権は政権サイドにあるのがほとんどで、少なからず時の政権を支えるような政策を打ち出すことが多く、必ずしも完全に独立した存在とは言い難いのが実情になりつつあります。
とくに米国がトランプ政権になり、これまでになかったような保護主義的な政策を打ち出すようになってからは、先進主要国の中央銀行も自国にとって有利になるような政策を優先して打ち出すようになっており、その役割は以前に比べてもかなり大きなものになりつつあります。

本格的なインフレが到来すれば中央銀行の政策に打つ手なし

先進主要国の中央銀行主導で作り出されたバブル相場ですが、現在は先進国では市場の成熟化が進んでいることからインフレが起こりにくく、ややもすればデフレに逆戻りしやすい経済状況が継続しています。

そのため、何かあれば再度金融緩和を行うことで経済を活性化させる道がどの中央銀行にも手法として残されていますが、これが本格的なインフレ到来となった場合には、FRBにしても日銀にしてもECBにしても正直なところ打つ手なしの状況です。
いま先進主要国の中央銀行がもっとも恐れているのは本格的な「インフレの到来」といえるのです。
とくに日本の場合には1100兆円という有利子負債が年利4%を超えるような金利になってしまった場合に、利子だけでも返済不能の状況になり、足元の金融抑圧政策はワークしない局面に直面することとなります。
こうなると逆に政府は「ハイパーインフレ」を起こすことで借金の棒引きを考えることになるのでしょうが、国民の疲弊は並大抵のものではなくなることからこうした不測の事態が本当に起きてしまうのかどうかが非常に大きな問題になりつつあります。
先進主要国を中心に中央銀行が行ってきた金融政策が金融市場や景気を支えてきたことは間違いない状況といえますが、株式市場やそのほかの金融資本市場が活況を呈したものの、本質的に好景気が示現したのではなく、表向きに景気の良さが演出されただけの感があるのが足元の景気の実態です。
中央銀行バブルは世界の富はほんの一部の人間だけに偏在した市場を作り出してしまったといえます。
とくに不自然な中銀主導の人工的な値付け相場の定着は本来の資本主義における自由な市場形成というものから程遠い状況を作り出しており、中央銀行の功罪はかつてないものになろうとしていることがわかります。
もちろん市場の活性化と経済の立て直しのためには中央銀行のこうしたやり方は必要であったことは認めますが、日米欧の中央銀行のここ数年のやり方は既に度を超えたものがあり、その問題のツケはこれから一気に市場に襲ってくることになりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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