読み込み中...今週はゴールデンウイークということもあって東京タイムの相場は動きませんので、日ごろと少し毛色の違う話題をお送りしていこうと思います。
相場の上昇や下落には実に様々な材料が影響するのはご存知のとおりですが、最近流行りのAIを利用した投資法でもっとも重視されているのがアナログチャートの形状であるいということをご存知でしょうか？
一般的には我々個人投資家もチャートの形を見たり様々なチャート分析ツールを使って先行きを常に占っているわけですが、AIのディープラーニングによるチャート分析は相場に与えるファクターとその影響力を分析しているのではなく、ひたすら過去のチャートの中から類似系を探す作業をしているのです。
これはたとえば為替のドル円における過去の相場抱けてなくコモディティなど他の金融商品から広範に検索をかけて類似系を探すことで先行きを見通すという作業をやっているのです。
アナログチャート分析では過去に大きな成功例も
アナログチャート分析ではチャーダーファンドのピーター・ボリッシュがブラックマンデーを1987年に当てたことから注目された時期がありましたが、その後は啼かず飛ばずであまり注目されてこなかったのもまた事実です。
しかしチャートの形状には個別の材料分析を超えた市場参加者の心理が示唆されているという見方が最近では非常に強まっており、近似性の高いチャート形状を探し出すことがもっとも相場の将来を見通すうえで重要であるといった考え方が強まっているのです。
ただ、AIによる金融投資はほかの分野でのAI利用に比べますと必ずしも成功しているわけではなく、チャート形状に注目していながらもなかなか確実な成果を出すところまでは行っていないのももまた事実でるという点には注意をしなくてはなりません。
ビットコインチャートからNYダウのセンチメントを覗う
現状ではまだ確実に成功する投資法にまではなっていないアナログチャートの近似的形状分析ですが、一部のファンド勢はビットコインのアナログチャーの形状からNYダウの先行きを占うといった作業を行い始めており、注目されています。
足元ではBTCもダウも上げたり下げたりしていますのでチャートを比較すること自体がなかなか難しい状況ですが、非常にざっくりとしたチャートを見てみますとビットコインの形状がロングレンジのNYダウによく似ているという指摘は市場で多く聴かれるようになっています。
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このダウのチャートについては直近の上げから下げて現状ではレンジ状態になっているものではなくもっと長いレンジでのチャートを見て比較しているケースも見受けられます。
このチャートではわかりにくいですが、最近のデータでは2万4000ドル以下まで垂れてきているわけですから、BTCの現状がより明確にNYダウの動きに投影された場合にはもっと下落するのではないかといった見通しも立つことになります。
ただ、チャート形状には時間の経過の問題が絡みますから同じ形に見えてもあきらかに時間軸が異なるものをもってきて直近の相場と同じであると断定していいものかどうかには大きな疑問が残るのもまた事実です。このあたりがアナログデータの近似性分析のかなり難しいところでもあり、FXに関しては同一の時間軸で近似性の高いチャートを見つけるという作業もさかんに行われているようです。
ただAI実装のアルゴリズムの場合、こうしたデータの断定にはなにもこだわれずに簡単に目先の投資方向を変えるのは人間の裁量取引ではなかなか実現できない特徴でもあり、人が同様の投資法をまねられるのかという点も今後大きな問題になりそうです。
金融投資の将来を考えますとますますAIに仕事をとられそうな嫌な予感がしますが、それでもAIでは認識不能の材料が渦巻いているのがこの世界であり、いかに人が人工知能の間隙を縫って売買することができるのかがここからの人の投資で優位性を発揮できるかの大きなポイントになりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
