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年初にマイケルウォルフが執筆した「Fire and Fury」が前倒し発売となり、予想以上にトランプが酷い存在であることがあからさまになってきています。
足元ではこの本の内容どころではなく、次々失言が飛び出しては言った言わないをメディアともめる始末で、それと並行してポルノ女優との関係を隠すために多額の口止め料を払ったなどという話も飛び出して、いきなりかなりまずい状況に陥りつつあります。
禿げの手術をしたなどという面白おかしい話しでは済まないネタが続出し始めており、これまでの米国大統領の1年目とはおよそ違う状況が展開し始めています。
いまのところトランプの行状に絡んで相場が下落したり売られたりすることはありませんが、特定国との関係を損なう話が国際的に問題になれば地域紛争やテロにもつながりかねないことから、そう安心していられる状況ではなくなってきているのが現状です。
古くはケネディから始まって、クリントンの不適切な関係など、大統領という存在は必ずしも人格者ではないことは国民もよく理解しているのかもしれませんが、さすがにトランプが置かれている状況は安心してみていられるようなものではなく、何かのきっかけでとてつもない問題が生じる危険性がかなり高まってきているようにも感じられます。
ロシアゲートも何か出てきそうな気配濃厚
マイケルウォルフの本は2月末にも邦訳版が登場するようですが、一足お先に読んでみた感じではこの本の中身が真実ならロシアゲートもさらに進展しそうな嫌な気配がかなり強く、経済政策を巡っては減税が実現したことからウォールストリートの評判は必ずしも悪くないようですが、政治的な問題で足をすくわれるリスクがかなり高いように思われます。
もともと政治家ではなくビジネスマンとして優秀だという話が定説になってきたトランプですが、今の状況は語彙力が日に日に減っていく、健康だけはしっかりしたただのエロ爺さんに過ぎない印象で、今や本当に4年を全うできるのかが非常に危惧されるところに差し掛かっていると思われます。
昨年から多くの市場関係者が具体的には説明できないものの、トランプ自身の存在そのものにリスクを感じていたわけですが、どうも直近の状況はこれまでの大統領にはない最悪のものになりつつあるようで、このリスクが相場にどう降りかかってくるのかが非常に心配されます。
つい出てしまうもって生まれた差別的発言
70年も自分の人生を歩んでくれば様々な発想や発言というのは長い人生の歴史から示現してくることが多いはずですが、トランプの差別発言もついうっかり口を滑らして心の中で思っていたことを口走っている嫌いが強く、今のところはまだ致命的な状況には至っていませんが、どうも時間の問題のようにもみえてくるのが最近の報道からうかがえます。
本来テールリスクというのは見えないところからいきなり登場するものですが、どうも米国に関してはトランプの存在自体が大変なテールリスクになりそうで、心配です。
ＦＸ市場に話を戻しますと、今後具合の悪いことが積み重なってトランプ窮地ということになるとNAFTAに見られるように他国との通商交渉にフォーカスして話をそらしながら相手国をボコボコにやっつけるということも出てきそうで、計らずもドル円は何も言われなくても円高に動いていますが、ドル高円安にシフトしたときにはかなり叩かれるリスクが高くなりそうです。
米国はどの為替のどのレベルを納得のいく価格とみているのかははっきりしませんが、トランプの口から具体的に100円とか100円以下などという数字が示されるとかなり市場は混乱することになるのではないでしょうか。
トランプ当選直後によく知りもしないのに素晴らしいビジネスマンで信頼に足る存在であるなどと安倍首相は無闇に賞賛していましたが、どうもそのような存在とは程遠いトランプの実情が次々と表ざたになってきているのが非常にきになる今日このごろです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
