売っても買っても元のレベルに戻るのが最近の「アノマリー」となっている「米国雇用統計」ですが、結果を受けて下落こそしましたが、結局113.500円台を回復して50銭ほど動くか動かないかの推移となってしまいました。
ニューヨークは大雪だったようで、その後の相場はヨコヨコに展開しほとんど大きな動きもないままに終了ということになりました。そして週があけるといよいよ年末最後のイベントともいうべき「FOMC」となり、これでクリスマス前の大きな取引は完全終了ということになりそうです。
トレンドのない相場状況は一番注意が必要
足元ではFXではありませんが、日経平均が毎日上げたり下げたり「ボラティリティ」のきわめて高い相場を演じています。
またそれに輪をかけて時間足で乱高下を繰り返しているのがビットコインで、素人目にみれば動きが大きいから儲かりそうな気がするものですが、実際にこうしたハイボラティリティ相場というのは参入してみると一回や二回は勝つこともあるわけですが、投げと踏みの応酬に巻き込まれて結局儲からないことになってしまいます。
「HTC」の高速取引なども猫の目のように売り買いを切り替えて気が狂ったように売買するわけですが、結果は決して爆益がでているわけではなく、結果労多くして益なしの状況に陥ってしまうのです。
FXの場合レバレッジをかけていますから損切で大きくやられないようにするといっても何度も取引しては損切するとそれなりに原資を減らすことになってしまうため決して得策ではありません。
7割負けても3割勝てばいいというのは大きな利益を出せる人の話で、デイトレやスキャルではこれは当てはまらないことになってしまいます。
日足や週足レベルで大きなトレンドが出るというのは、ドル円でもユーロドルでも年に2回ほどしかありませんが、1時間足以下ではこまかなトレンドは比較的よく出ますので、こういう時間足を使ったこまめな売買というものを年末最後の一週間では心掛けたいものです。
ドル円もユーロドルも方向感ははっきりしない
最後の一週間なのだからがっつり稼いでやろうと思っている方も多いかもしれませんが、足元の相場はドル円もユーロドルもまったく方向感が感じられない状況で、正直なところ積極的に売買したくなるような雰囲気はまったくないのが実情です。
したがってよほど明確にポジションをとれそうな位置に来るまでは、そのまま様子を見るというのもこの時期の相場への適切な対応方法ということができます。
儲けが見込めないときにはあえて参入しないという勇気もFX取引では必要になってきます。相場のトレンドを見るのにはまずトレンドラインを引くというのが確実な方法になりますが、短い時間足のトレンドラインほどあてにならないものはなく、しかも長い時間足ではトレンドはなかなか出ないわけですから、実はトレンドの発生を見極めるのは想像以上に難しいものになります。
ひとつ、お役にたつかもしれないオシレータ指標として注目したいのが「標準偏差」です。
これは過去の一定期間の相場平均と、足元の価格がどのぐらい乖離しているのかを常にみているもので、チャートが上昇したから相場が上昇するというのではなくあくまで過熱感、トレンドがでているかどうかを見る指標となっていますので、他のオシレータ系ツールと組み合わせて利用することが有効になります。
このチャートが上の左側のように下から上に上昇する局面は、トレンドがではじめてピークに向かっていることを示しており、また徐々に下げてくるとトレンドは消滅していることを示しています。
また方向感なくだらだらしているときは当然トレンドはありませんから、相場が上昇しても下落しても一過性であることがわかります。
こんなチャートを見ながら取引してみるのもトレンドを確認する意味では役に立つかもしれません。いずれにしても、市場参加者が少ない時間帯に突入していますので無理のない売買を心掛けるようにしたいものです。
(この記事を書いた人:今市太郎)