読み込み中...ドル円は昨日もストップロスをつけさせられるような「ショートカバー」主体で113円を回復する場面がありましたが、113円台はどうしても買いが続かない状況で、上昇しては下げる展開が続いています。
どうも113円台で二回高値をつけたのがダブルトップを形成してしまったようで、価格調整か日柄調整をしない限りは簡単にここから上昇できにくい相場になってきているようです。
チャート的には上昇の可能性は十分あるのですが、すんなりそうした動きにならないのもまたFXの特徴で、今週に関しては、特にあわてずに相場の動きの様子を見ることも必要な時期となってきているようです。
強いISMでも上昇できないドル円
ISMが2日に発表した9月の製造業総合景況指数は60.8と前月の58.8から上昇し、実に13年ぶりの高水準となりましたが、為替の反応はいまひとつで、本来ならば市場予測が58.1ですからかなり上昇してもよかったにも関らず113円台を回復するといった大きな反応にならずに終わってしまいました。
これが何故なのかはよくわかりませんが、金利上昇が追い風にはなっているものの、ここからすぐに上方向を買い上げていける動きではないことが非常に気になるところです。
ただ、一方で上値も重いものの、下値も毎日切り上げてきている状況で、昨日は112.500円以下をつけることなく終わっていますし、非常にレンジ幅が狭くなりつつあることがわかります。
米株式相場は続伸だがこちらの影響も受けないドル円
さらに2日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が４日続伸し、終値は前週末比152ドル51セント高の２万2557ドル60セントと、９月20日以来ほぼ10日ぶりに過去最高値を更新しています。
ナスダック総合株価指数、機関投資家の多くが運用指標に据える「Ｓ＆Ｐ500」種株価指数もそろって最高値を更新しており、上昇の勢いはまったく止まらない状況となりつつありますが、こちらもドル円は好感することなく意外に冷静な動きを継続中です。
相場間の連携性が急激に崩れている相場状況ですから、特別驚くべきことでもないのかも知れませんが、個別の市場は勝手に都合のいい材料だけ取り込んでは動いている雰囲気が非常に強くなっており、この状況がいつまで続くことになるのかがかなり気になります。
雇用統計はあるものの3連休前に調整か
10月10日は朝鮮労働党の創建記念日にあたることから、また何か挑発行動が出る可能性があるとの指摘も高まっていますが、次回は潜水艦からミサイルを発射するのではないかとの憶測もではじめており、週末は「雇用統計」があるもののそれなりの調整がでる可能性がかなり高まりつつあります。
ミサイルの発射だけでは一時的に下げては戻るのが最近の相場の傾向ですが、核弾頭付というおまけがあった場合には相場の反応はさらに深刻になるリスクもあり、少なくともこの連休前にロングをもつことだけは避けておきたい状況になってきています。
ユーロ円の下げにも影響を受けるドル円
同じく２日、スペインの北東部カタルーニャ自治州で１日行われた、分離独立の是非を問う住民投票を受けて独立の動きが激化するのではないかとの不安からユーロが全般的に売られる動きとなり、ユーロ円も大きく値を下げたことからドル円もかなりこの影響を受けていることが窺えます。
またユーロドルはファンドの解約45日ルールの関係で売られている可能性も高く、どうも上値を試すためには、多少時間が必要になってきているようです。
足元ではドル、ユーロともになかなか難しい動きとなってきていますので、迂闊に値ごろ感だけからポジションを作らずにしっかりエントリーポイントを見据えて売買したほうが安全そうな時間帯といえます。
（この記事を書いた人：今市太郎）
