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事前の観測どおり北朝鮮が、またしてもミサイルを発射し襟裳岬近辺に落下したようです。
今回もFX市場ではドル円がいきなり下げる動きにはなりましたが、すかさず買いが入る状況で、日経平均も前場の立ち上がりだけマイナスからスタートしたもののプラスに転じる動きとなっており、完全に金融市場は「ミサイルパフォーマンス」に飽きがではじめていることがわかります。
確かにこのミサイルパフォーマンスというのは、一発撃つとそこから先の話がなにもないので、一瞬下げてもそれで戻しておしまいおちう動きになりやすいのは事実ですが、この先核弾頭を搭載したミサイルなどが発射された場合は状況は大きく変化する可能性もありそうで、やはりドル円は買いで対応したくないのが正直なところです。
この手のリスクイベントも市場参加者が妙に慣れた状態になるのは結構危ない予感がしますが、実際に市場はどんどん反応しなくなってきています。
果たしてこの北朝鮮のパフォーマンスがここからどうなっていくのかが、非常に気になりますが、こればかりはいくら危惧してもわかりませんので備えだけは常に意識するしかありません。
110円超でもドル円を執拗に買い上げたのは誰だ？
今週はとにかく107円台から110円台まで「ショートカバー」で戻すのが驚くほど早く、作為的に買い上げを行っている連中が確実にマーケットに存在することを改めて印象付けました。
昨日米国のCPIの好結果をうけて111円台まで上昇してしまっただけに、この間に作られた主要なショートはすべて切らされた状態で、もはや「ショートカバー」の力だけでここからドル円相場を上申させていくことはできない状況です。
むしろ市場がロング目線になってロングが溜まりすぎると自律的に下落しそうであるため、一旦はドル円の上昇も落ち着きそうな気配となってきています。
結局FOMC待ちの状態に
市場では米国の減税が期待されてはその内容が乏しくて剥落したりとさまざまな材料が出ては消えていく状態となっていますが、結局決定的な材料にはならなくなってきていることから「FOMC」の結果を待ちながらこうしたリスクイベントで上下に振らされる展開が続きそうです。
たしかにシーズナルサイクルからいえばドル円が買われやすい時期が近づきつつあるようですが、果たして今回107円台から111円にまで戻した動きが一定のトレンドを形成して、ここからどんどんドル円が上昇するのかどうかについてはもう少し状況を確認する必要がありそうです。
107円台から見ますとえらく戻した気分でありますが、依然としてレンジ層相場の中の往来に過ぎないといえばそれまでですから、あまり最初から決め付けてかからない柔軟が売買が望まれます。
また「FRB」が利上げを行うことがかなり織り込まれはじめていますが、最大の問題は米国の債券市場がそれをうけて本当に金利上昇するのかどうかで、市場しだいでは長短金利ともども金利が伸び悩むことになりかねず、単純に日米金利差だけからドル円が上昇すると見込むことにもかなりリスクが残ります。
「FRB」ではすでにフィッシャー副議長が辞任を明らかにしていますから、置き土産のような形で資産縮小を明確にしてくる可能性は高いといえますが、果たしてどのような内容が発表されるか次第ではまたドル円は結構上下にぶれるリスクが残っており、とにかく上昇というわけではないことにも気をつけたいところです。
テクニカル的には107円台までつけたわけですから本来下をもっと試してもよかったところですが、「イベントドリブン」のファンドなどが暗躍した結果でもあるようですから、そのままテクニカルどおりには動かなかったのもドル円の足元の状況です。
ここまでの材料は結構明確だったのですが、その割には相場的にはむずかしいのが9月のFX市場といえそうで、ここからも十分な注意が必要になりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
