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北朝鮮有事にFX相場は円高・円安どちらか?

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今年のお盆休みは北朝鮮有事問題にトランプ政権の余分なリスク問題が浮上しましたが、ここから多くの読者の方が関心をお持ちになっているのは北朝鮮有事でFX相場、とくにドル円相場が果たして「円高になるのか円安になるのか」という疑問のようですので、今回はこのテーマに絞って書いてみたいと思います。

トランプの対応に対する見方も二分

さて、この話を考える上で非常に重要なのがトランプの北朝鮮への出方に関する見通しです。市場では米国領土が攻撃される危険が増せば、トランプは北に仕掛けるであろうという結構アグレッシブな見方が広がっています。

人気も低迷してきたトランプにとっては、起死回生の支持率回復のチャンスになるのではないかといった話も登場してきていますから、リスクが高まれば予防攻撃も視野に入れた行動がでる可能性は確かに否定できません。
その一方で、ビジネスマンで、もともと戦争嫌いのトランプは自ら中国とロシアが背後にいる泥沼地帯に入り込んで戦闘を仕掛ける可能性は極めて低いという見方も実は広がっています。
これは更迭される前に米国孤立主義を先導していた「スティーブンバノン」が「北朝鮮は対中闘争の中では余興にすぎない」といった旨の発言をしたことでも容易に理解できますが、トランプはプロレスのリングパフォーマンスのようなことはしても、結局自ら手を下すことはないといったかなり楽観的な見方がこれにあたります。
まあさすがにこの楽観視も米国本土までICBMが飛んでくれば限度問題なのではないかとは思いますが、このトランプの北朝鮮に対する積極的攻撃対応か否かによってFX相場の動きはかなり異なるものになりそうな状況となっています。

米国がまさかの予防攻撃を行った場合

ただ先週末、トランプ政権発足時のもっとも信頼された相談相手であった「スティーブンバノン」をトランプ自ら更迭するというなかなか衝撃的な事態が発生しました。このバノンこそ「北朝鮮など積極的に関与すべきではない」という米国の孤立主義を主張してきた張本人だったわけです。

4月のシリアへのミサイル攻撃の際もすでに娘婿とスティーブンバノンは険悪な関係になっていましたから、周辺が画策してトランプ自らバノンを外すように仕向けた後にはネオコン的色彩の強い連中が勢いを増してくる可能性は十分に考えられ、実がこのことが結果的に予防攻撃につながってしまうのではないかとの見方も高まっているようです。
軍事に詳しい評論家の論評を見ていますと、米国が予防的な先制攻撃を仮に行ったとしてもそれだけで戦闘が済む可能性はきわめて低く、結局韓国が戦場になるリスクは相当高まることになりそうで、韓国の大統領は「韓国の事前了承なく戦闘にはいたれない」と豪語していますが、果たして本当にそうなのかどうかが非常に大きなポイントになりそうです。
万が一米国サイドが予防攻撃に出た場合、2003年のイラク攻撃のようにドルが買われる可能性もありますが、当時よりも「アルゴリズム」の初動のほうが明確になるとすれば一旦はとにかくドル売り円買いからスタートして、その後の様相次第になる可能性もありそうです。
初期攻撃で決着がつかず北から反撃がでてきたときがもっともFX的には判断に迷う展開になりそうです。韓国が地上戦で攻撃を受ければ猛烈なウォン売りになり、日本が隣国であってもそれだけでも円高が進行する可能性がでてくるものと思われます。
またあまり考えたくないことですが、日本にもロケットが飛んできて被害を受けることになった場合、首都機能が麻痺して、それこそ東証も開けないような事態になれば円売りは必至でしょうが、たとえば石川県のはじの方に破片が落下した程度ではそう簡単にドル高円安にはならない可能性もありそうです。
ということで「米国が先制攻撃をしかけたときが一番先が読めない動き」となり、迂闊にポジションはもてない状況に陥ることになるでしょう。

北朝鮮が一方的にICBMを発射した場合

9月9日に北朝鮮がなにかをしでかすとしても、これまでと同じようにICBMと思われるロケットが太平洋上に着弾する、もしくは地下で核実験を行っただけですと、いつもどおり瞬間的に「アルゴリズム」が働いてドル円は円高になるのでしょうが、そこから先に進展がなければこの問題をきっかけとした相場の変動は予想以上に小さいものになりそうです。

ただ、この実験と呼ばれるものがICBMに核弾頭を搭載してグアム島内に着弾した場合には、かなり大事になり米国の対応次第では予防攻撃に出たのとほぼ同じような不透明な状況になることが想定されます。
さらにアラスカやハワイ島沖に着弾するなどという想定外のことに発展すればより大騒ぎになるのは必至で、米国内の世論の動向もかなり影響を与えることになるでしょう。
この場合もっとも通貨的にわかりやすいのは「ユーロへの逃避」であり、ユーロ円もユーロ高になれば明確なFX市場の方向感のなくなったドル円はそれに引きずられる可能性もありそうです。
日本が巻き込まれない状況下で米国も戦闘に参加した場合には、やはりドル売りは鮮明で想像以上の円高がやってくることは覚悟しなくてはならなくなりそうです。
オーバーシュート」気味に下落すれば投機筋が足元で抱えているドル買いが全数投げになりますから、今の水準から簡単に10円近く下落することもありえそうです。

儲けを見込んで事前参入するか高みの見物に徹するかが問題

このように米国側、北朝鮮側という攻撃の条件で区切ってみても結果としておきる事象がどのようなものになるかによって、FXに生じる影響はかなり変わってくることになるというのはご理解いただけると思います。

米国が攻撃を受けることになればドル安は進みますが、こと日本に関しては紛争当事国の隣国ですからその関与度次第でドルに対する円高か円安かが微妙に変化することが予想されます。
今回のような事態の場合、「アルゴリズム」による初動だけは比較的簡単に予想できますが、それ以降は状況次第になることは意識しておく必要がありそうです。
足元では米国が先に手を出すのか北が先かもわかりませんから、これまでの戦争に絡むFX相場の動きとはかなり異なることになる点だけは相当注意が必要です。その上であらかじめ一定の予想を立てて相場に臨むのか、最初から様子を見るのかはある程度決めておいたほうがよさそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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