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つい最近わざと何もしないのか？というコラムを書いたばかりのトランプ政権ですが、故意というよりも本当に何も政策を履行出来ない気配が濃厚になりつつあります。
来期から国内で減税をスタートするためには、少なくともオバマケアの代替案をフィックスさせてどのぐらい減税の原資になるかを確定させなくてはなりませんし、当初は国境税調整で資金を捻出することでそれが減税原資になる予定だったはずですが、いまどちらも頓挫しかかっている状況です。
オバマケアの代替案についてはさらに条件を後退させることでなんとか妥協点を探ることになるのでしょうが、やはり本当に保険がなくなると苦しい世帯を配慮すると共和党だから単純に党議拘束で賛成するというほど簡単ではないようで、一部は可決しそうな見込みも出ていますが、果たして何処まで格好がつくのかはかなり怪しい状況です。
また就任時結構な騒ぎになりかかった国境税関連についてもトランプが大統領候補時代からアドバイザーとして参入してきた極右保守派といわれる「ピーター・ナヴァロ」、「ウィルバーロス」が強力に保守主義的な貿易政策を推進することで減税の財源を捻出することが考えられましたが、共和党の反対にあってあえなく取り消しが決定したようです。
政策頓挫と要人発言のたびにドル円下落は辛い
もともと夏枯れで大して動かないドル円ですから、そもそも余計な売買はしないで様子を見ているのが一番間違いないのでしょうが、とにかく政策が頓挫したりうまく議会を通過しないという報道が出るたびに、ここぞとばかりドルが売られ債券金利も低下する展開です。
ここからもれなくドル円が下落するのはかなり厳しいものがあり、また政権の首脳からの発言がでてもドル円が売られることになるため、まったくいいところなしの状況になってきています。
ドル円相場自体は連日投げと踏みの応酬のような状況が継続中で、下落を期待してアジア時間にショートがたまりすぎるとロンドンタイム以降に比較的大きな「ショートカバー」がでますが、政策上下落となると今度はロングから投げがでるという、不毛な戦いの繰り返しでかなり元気がなくなる状況です。
まあ夏場は例年こんなものですから、あまり悲観せずに動きがでるのを待つというのも相場ではないかと思います。
ユーロドルも一気に上がるわけではない
かなり堅調に見えるユーロドルではありますが、こちらも一筋縄ではいかないようで、27日の当巨タイムに吹き上げて1.17762と1.18に届きそうなぐらい上昇したにもかかわらず28日の「London Fix」後の午前1時すぎには米国の債券金利が上昇して1.6498まで下落するなど、ただ買い持ちしていればそれで済むほど甘くない相場が展開しています。
ユーロドルの場合ユーロ買いして上がったら一定のレベルでリカクしてはまた押し目がくるのをしっかり待つ姿勢がありませんと将来的には上がるといっても保有を我慢していられなくなる瞬間に出くわしそうで、なかなかむずかしい状況です。
見ていますとドル円よりはユーロドルのほうがまだましな気がしますが、動きが大きいため、間違ったレベル感だけでエントリーをしてしまいますと相当苦しい思いをしそうですから、確実なエントリーポイントをさがることが肝要になりそうです。
今晩の米国の四半期「GDP」の速報値次第ではまたまたぶれた動きになる可能性がありますが、動きはじめてから売買をしても遅くはない感じです。いずれにしてもすでにかなり市場参加者が減っていてスカスカした印象がありますので、くれぐれも無理をせず確信がもてるタイミングにエントリーしていくことがお勧めです。
この相場状況ではそれほどたくさん取れるという感じでもありませんので、ゆっくりお休みして英気を養うチャンスなのかも知れません。
（この記事を書いた人：今市太郎）
