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26日の為替相場は翌週月曜29日が米国のメモリアルデーで三連休になることもあって、ひどい閑散相場となってしまい、ポジションを閉める動きなどからドル円はあっさり111円を割り込む展開となりました。
しかし下値ではそれなりの買い意欲も旺盛であり、111.800円より下を試すこともなくなんとか111円台に戻しで週の取引を終了しています。
前日まで111.500円を割れなかったのが嘘のように簡単に下落してしまったドル円ですが、概ね1円幅のレンジ相場であるとみれば、その動きは比較的わかりやすいものに見えます。
週明けも111円台前半にいくつかのオプション設定があることから、111円前半をはさんで上下に振幅する相場が継続することになるものと思われます。
一方、為替市場のみならず株式市場も一定の利益確定売りがでたことから相場全体がぱっとしない状況になっていますが、手仕舞い売りは仕方ないとしても、それよりも気になるのが株式市場と債券市場がまったく相反した動きをはじめていることです。
何があってもお構いなしに上昇を模索する米株式市場
どうも気になるのは、米国の株式市場の動きで、もはやどんなネガティブな情報が市場にもたらされてもほとんど下押ししないまま上昇を模索していることです。
以前のコラムでも書きましたが、相場は最終段階では走る傾向があるものの、じり高状況というのはなかなか下落しないので、まだ大幅下落までには猶予の時間があるように見受けられます。
しかし、とにかくどんなネガティブな情報がでてきてもほとんと反応しないまま続伸しようとするのはかなり危ない兆候であり、決して安心してはいられない状況といえます。
金融株が大幅上昇しない不思議
ゴールドマンサックス株価推移 データ Bloomberg
だいたい株式バブル相場の末期には金融株が大幅上昇して終焉を迎えるものですが、なぜか足元の米国株式相場ではトランプラリー開始直後に驚くほど上昇した「ゴールドマンサックス」の株価がここへきて高値ながらも膠着してそれ以上、上昇しない動きを見せている点は気になるところです。
このまま上昇が見込めないとなると、今回の米国の株式相場は最終段階で大きく走ることなくあっさり下落局面を迎える可能性も高く、果たしてどういう動きになるのかが気になります。
米債券市場は株価上昇を無視して金利低迷継続中
Data Investing.com
一方米国の債券金利のほうは「FOMC議事録」」の開示をうけて「CME」「 FedWatch」の利上げ確率が83.5％にまで上昇し、多くの市場が利上げを織り込みに行っているにも係わらず、長期金利を中心としてまったく上昇の気配が見られないのがなんとも不思議な状況になっています。
株式と債券の市場でここまでその反応がばらばらなのもめずらしく、恐らくどちらかの反応が今後の市場動向に対して間違った動きをしている可能性が高いものと思われます。
実際にどちらの相場の見立てが間違っていたのかは6月の「FOMC」での利上げ以降にかなりはっきりするものと思われますが、なんらかの相場異変が起きるリスクは一段と高まってきているようです。
ドル円は完全に次なる材料待ち
足元のドル円は非常に方向感が乏しく、112円方向に買い上げてきたのも短期の投機筋と見られることから一旦手仕舞いの動きになるとするする下落して111円をあっさり割り込む動きになってきています。
米債の10年債金利がほとんど上昇しないため、大きく上がることもありませんが、株価が堅調であることや6月の「FOMC」利上げ確率が一段と高まっていることから、下げを加速することもなく、非常にやりにくい相場が続いています。
やはり市場に大きな変化が現れるとすれば「FOMC」以降になるものと思われますが、どうも相場には次の大きな変化が待ち受けていそうな気配濃厚で、どうやって相場の転換点をしっかり見定めるかが大きな課題になりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
