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とうとう恐れていたことが現実になりそうです。トランプ大統領起因のクラッシュ相場がついにやってきました。
まだあくまでも疑惑の段階でしかないわけですが、それでも市場は完全に疑心暗鬼の状態になっており、トランプが辞任する以外になにか解決策があるのかといった感じにさえ見える状況です。
株も為替も大幅下落となっており、これがどこで終息するのかの見当もつかない状況に陥っています。
当面回復の期待できない相場～トレンド転換も
とにかく内容は政治的なスキャンダルですからほとぼりが冷めるという性格のものではなく、決定的なところまで追い詰められない限りメディアも国民も納得がいかない状況に陥り始めています。
既にドル円はNYタイムで111円を割り込む動きを見せていますので、東京タイムにはさらに下値を模索する可能性があり、相場を戻す材料がほかになにもないだけに「ショートカバー」でも出ない限りはそう簡単に値を戻すことにならなさそうな状況です。
下手をすればこのままトレンド転換になりかねない状況だけに迂闊な買い向かいは禁物です。気になるのはどこまで下落するのかですが、日足で見てみますとこのまま108円台まで下落する可能性も十分にあり、買いの材料が登場してくるか、ショートカバーがでないかぎりは結構下げそうな嫌な予感がします。
相場は本格的に嫌気している印象が強く、追加のネタが出るたびに下押ししそうで、下押しはわかっていてもなかなか売買は難しそうな感じです。
ニクソンが辞任したときの為替相場が一番参考になりそうですが、なにぶんかなり昔のことであるため今の時代に役にたつかどうかはまた別の話で、当面は相場の動きをみながら判断していくことしか方法はない状況です。
またここまで下げてしまいますと買いオーダーもすべてつけてしまっていますから、本邦勢の機関投資家や輸入の実需が足元のレベルでどのぐらい買ってくるかも注目されます。
トランプが辞任した場合副大統領が昇格
さて、多少現実的な未来の話をしておきますと、弾劾は上院で出席議員の3分の2が賛成すれば決定することになりますが、現状を見ていますと、結構簡単に可決する可能性もありそうで、ポストトランプのことを真剣に考えておく必要がでてきています。
今のままでは副大統領が昇格ということになりますが、マイクペンスが大統領になった場合、トランプの政策のどの部分が受け継がれるかによっても市場の評価は相当変わってくることが予想されます。
トランプがいなくなったという安堵感から「リスクオフ」が解除されることは容易に予想されますが、果たしてその後の相場がどうなるのかはさすがに誰も想定していなかっただけによくわからない部分がかなり残りそうです。
あくまで個人的な印象ですが、今回トランプが問題になっている部分はどれも明確な法律違反となりますから、うやむやで済むとは思えず、決定的な最後をこの段階から想定しておくべきではないかと思います。
つまりトランプ弾劾もしくは辞任でドル円はもう一段下を目指すことになるでしょうし、ドル全般の下落からユーロがさらに強くなることも考えておかなくてはなりません。
また6月の「FOMC」で利上げが本当にできるのかといった問題も浮上してくることになりそうで、6月にかけての相場は想定外の難しさをひきずることになるものと思われます。
相場は一方向だけには動かないのが常ですから、反騰する材料が何なのかも見極める必要がありそうで、とにかくここからはあまり相場の方向を断定せずにフレキシブルに対応することが重要になりそうです。
みなが同じ方向をむき出すと相場は必ずさかさまに動くことになりますから、そのあたりもしっかり意識しておくべきでしょう。
（この記事を書いた人：今市太郎）
