週明けの東京市場はフランス大統領選でマクロン氏の勝利が確定したことから東京市場が開くはるか前のオセアニア市場のスタート時に窓空けとなりましたが、既に一旦上昇が終わり逆に窓を埋めてから再度上昇という展開となっています。
大方の事前予想通りの展開で既に織り込み済みということなのでしょうが、連休空けの本格的に5月相場が始まる今週はいつもとはまた別の相場展開となることが予想されます。
週明けから実需のリーブオーダー分がリアルオーダーとして登場
このほぼ一週間におよぶ日本のゴールデンウイークでは、輸出勢が113円から上に、輸入勢が111円台以下にかなりのリーブオーダーを置いていたと思われますが、ドル円相場は113円台をつっかけただけでほぼ112円前半との1円弱の幅の振幅しかありませんでしたので、上下ともにリーブオーダーはまったくついていない状況にあります。
それだけに週明けからこのリーブオーダー分の注文が市場にあらためて登場してくることから、下値も堅いものの、上値もそれなりに限られることになりそうです。
111円で買えなかった実需筋は買いオーダーのレベルを112円台に移して買ってくることになるため、今週は週後半に向けてかなり下値の底堅い動きが予想されます。
一方で上値は113円後半から114円台にかけてかなりの売りが並んでいたはずですが、こちらもまったくつかなかったことから113円台ではかなり積極的に売りを仕掛けてくる実需が登場してもおかしくない状況です。
ユーロとポンドの上昇次第ではクロス円上昇でドル円も連れ高に
どうも為替相場ではテーマとなる通貨が再度ユーロとポンドに戻りつつあるようで、フランスの大統領選挙の結果政治リスクが大きく後退したことからユーロが上昇し、6月の総選挙に向けた期待からポンドも大きく買い戻されることになれば、ドルと関係なくドル円がつれて高値をつけていく可能性も出始めています。
ただ、先週金曜日の「雇用統計」後の動きを見ていますとユーロ円はドル円と同じような動きをしており、ドル円を牽引していく形にはならなかったことが気になります。
そもそも円に対する関心が薄れている可能性もあり、そうなるとドル円は方向感のない相場が当分続くことを覚悟しておかなくてはならなさそうです。
円に対する関心が低下している模様
ただ、先週の「雇用統計」後の相場の動きをみていてよくわかるのは円に対する関心が今年前半に比べると急激に低下しつつあることです。
市場のテーマはあらためてユーロとポンドに向かっているのはどうやら間違いなく、5月はこうした通貨が脚光を浴びる可能性が強いだけにドル安もからんでドル円はあまり動かない展開も予想されます。
ただ6月の米国の利上げがかなり確定的となっているため、6月15日に向けてピークを迎えることも予想され、下押しもそれほどたいしたものにはならなくなりそうです。
引き続き「北朝鮮リスク」は継続中ですが、欧米勢は明らかに北朝鮮リスクに対する感応度は低いようで、よほど何かがない限りは「リスクオフ」にはならないようにも見え始めています。
9日の韓国大統領選がひとつのリスクの山場となりそうですが、これを無事通過すると地政学リスクも大きく後退することが予想されます。
まだ確定的とはいえませんが、5月のNYダウは引き続き堅調な地合が継続しそうで、夏に向けてさらに相場が上昇することになれば日本株も同様な動きが期待され、ドル円も当面は堅調地合が続きそうです。
ただ、このコラムでも採算申し上げているとおり米国金利上げの4回目から先には非常に相場を下落させるリスクが高くなりますので、ここからは利益がでたらこまめにリカクしてしっかり利益を積み上げて、必要以上に引っ張らない努力が重要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)