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トランプ政権の内側で起きている内部抗争

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24日のNY市場は前日から延期となった「オバマケア」の代替法案が米国下院を通過する見込みがなくなり、一旦法案を引っ込めるといった異例の事態になったことから、大きく下げたドル円に買い戻しが入り111円台に入って週末を迎えるという意外な展開になりました。
投資の世界だけからこの「オバマケア」の廃案を見ていますと確かに減税の原資をフィックスさせるきわめて重要な要素ですから、為替にも大きく影響がでることにはなりますが、この予算問題の裏側にはリアルな米国民の生活があるわけで、一旦廃案にすれば数千万人の人がやっと確保できた保険を失うことになり、投資家が考えているほど話は簡単ではないことを改めて浮き彫りにする流れとなりました。
ところで、表面的にはトランプがすべてを仕切って政策が運営されるように動いているように見えるこのトランプ政権ですが、どうやら内側ではすでに猛烈な内部抗争が始まっているようで、トランプが掲げている政策もどこまでが現実のものになるのかはこの内部抗争次第の状況になってきているようです。

もっとも過激なのがマーサー財団系

今の米国共和党にはいわゆる主流派と呼ばれるこれまでのブッシュを中心としてきた一派とは別に、いわゆるマーサ財団系などと呼ばれる保守過激派が存在します。

実はこの保守過激派がかなりトランプ政権に入り込んで裏からトランプを操っているとも言われており、よくよくそのフィルターを通してみますとトランプの言動がかなりこの勢力に操られていることが見えてきます。
このコラムでもご紹介した「スティーブン・バノン」はマーサー財団から多額の資金提供を受けている尖兵であり、彼が今唯一トランプに直接もの申せる人物というのですから影響が強くなるもの無理はありません。
入国管理法を突然繰り出してきたのもこのバノンの仕業とされていますから、その過激さぶりは尋常ではないことが窺い知れます。
そもそもマーサー財団などというと日本ではまったく聞きなれませんが、大富豪の「ロバート・マーサー」とその娘のレベッカが管理する財団で、現状のエスタブリッュメント支配を破壊すべきというのが基本信条だそうで、この発想が「スティーブン・バノン」やコンウェイ上級顧問の発想とシンクロしているといわれています。
このマーサー財団はトランプの政権移行チームや閣僚にかなりの人間を送り込めているようで、いわゆる保守派の中でもすっかり主流になってきているおとがわかります。
すべてがマーサー財団系ではというわけではありませんが、今回の政権の保守派系はペンス副大統領、ポンペオCIA長官、プライス厚生長官、セッションズ司法長官、ペリーエネルギー長官、ヘイリー国連大使、ジンキ内務長官、マルバニー予算管理局長、バーデュー農務長官、プルイット環境保護局長官らがここのグループに属しているわけですから、お友達政権に見えたトランプの組閣にはこの保守派がかなり深い根を下ろしていることになります。

トランプ一派は実は結束力のない反主流派

今回の政権ではトランプの気に入った人間だけが集められている感が強かったわけですが、組閣が見えてきますといわゆるトランプ一派というのはそれほど数も多くないことがわかります。

トランプ一派とは、トランプの息子や娘たちと婿のクシュナー上級顧問、ウォール街出身の財務長官およびウィルバーロス商務長官、エネルギー産業系のティラーソン国務長官、反ネオコンの軍人・専門家筋のフリン前国家安全保障補佐官、マティス国防長官、マクファーランドNSC次席補佐官などから構成される集団で、ある意味寄せ集めであり、一派とは言ってもなんら筋の通ったものではないことは一目瞭然の状態です。
「ゴールドマンサックス」出身者が多いなどと当初は言われていましたが、ムニューシンとスティーブンバノンでは出身こそ同じでもまったく考え方は違うようです。
またフリン氏は既に共和党保守派から叩かれて政権から去っていますし、我々が外から見ている以上に内部抗争は激しさを増しているようです。同じ対中強硬派でもピーターナヴァロやウィルバーロスはトランプと近しい人物で見かけはスティーブンバノンときわめて近いですが、出所は微妙に違うこともわかります。このあたりの見分けもなかなか難しいことになります。

オバマケアの廃案はとりあえず失敗

トランプは今回オバマケアの廃案は早くも断念せざるを得ない状況ですが、それ以外のトランプの政策についても政権内では早くも賛否両論が渦巻いているようで、ここから政策自体がどうなっていくのかも気になるところです。

メディアの報道ではヘルスケア代替案をめぐって株も為替も下落の影響を受けているといった単純な説明がされていますが、法案が流れてみればドル円は買い戻しで111.300円まで戻しており、為替相場の動きもそう単純なものではありません。あまり表面的な報道だけに流されないこともどうやら必要になってきているようです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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