投機筋にしてやられたか？2月の雇用統計

「FOMC」前の最大のイベントとして市場の注目を浴びた「雇用統計」でしたが、結果はNFPが事前予想20万人増に対して23．5万人の増加となったものの「平均時給の伸びが弱い」ということで売られることとなりました。

一旦115円台前半まで下落したあと深夜0時過ぎに「ECB」が「QE」終了前に利上げが可能か協議したとの報道がでて、ユーロが対ドルで急伸し、その煽りでドル円は下落、さらに米国貿易三人周の一人であるウィルバーロスが貿易について「日本の優先度は高い」と発言したことも嫌気され、115円を割り込むと一時114円76銭付近まで急落する展開となってしまいました。

事前に妙に買い上げられたことから、このまま行けば116円の突破も夢ではないとロングをとった投資家は、一転損切りや含み損をかかえて週を終える展開となってしまいました。

やはり投機筋の確信犯的な売りが下落の要因か？

後から見ますといろいろな要因があって下落しているように見えますが、「雇用統計」に関して言えば平均時給が多少下がろうが大した問題ではなく、明らかに誰かが確信犯的に「雇用統計」のタイミングの流動性が高い時期に大量に売りをかました可能性が高いのではなかと思う動きとなりました。

つまり直前まで買い上げた投機筋がぶん投げて結局売り場になった気配濃厚です。その後の動きはもはやおまけの世界で理由を聞けばさもありなんという話しですが、ここまで執拗に買い上げてきた連中がいなくなってみたら下落しましたというのが事実のような印象を受ける動きです。

個人投資家の方にとってはなぜこの程度の条件悪化でこれだけ売られなくてはならないのか、と思われた方も実に多かったと思いますが、早い話が確信犯的に売っている奴がいるからです。

そもそもNFPはイカサマかという内容をブルームバーグが公表

最近「ブルームバーグ」が面白い記事を公表しています。労働省は１月の非農業部門の雇用者数を22万7000人増加と発表したのはご案内のとおりですが、この数値は季節調整を施したもので、調整前の原数値は294万8000人減少と景気意回復どころか、とんでもない減速数字であったことを示しています。

これまで「雇用統計」を長く見てきましたが、実は原数字がこんなにも悪いというのは始めて知ったわけで、これは利上げのために厚化粧をしたのではとかんぐられても仕方ない数字といえます。

今回の数字もそこそこのものに仕上がっていますが、まあ嘘か本当かさっぱりわからないもので、１月に雇用が大幅にカットされるのは、11月の感謝祭で始まる年末セールで一時雇用された労働者が、年明けに一斉に解雇されるためであるとされており、今年は１月に大幅なマイナスを記録したわけですが、昨年12月も22万5000人の減少で、減少幅は15年12月の3000人から大幅に拡大していることを示現しています。

「ブルームバーグ」の記者は個人的見解としながらもこの元の数字の悪化は景気後退を示しているのではないかと分析しています。

まあ事前のアナリストの予想の平均値と発表値の誤差を泣いたり笑ったりしている場合ではないものがNFPであることを今更ながらに感じさせられる記事内容といえます。