ドル円は下落目線だがショートが溜まりすぎ

週明けのドル円は市場全体が下方向を見ていることから下落傾向ではありますが、ショートが多くなってきていることから大きく下がるといった状況でもないようでNYが休日ということもあり大きな動きがでるのは火曜日以降になりそうな状況となっています。

週明けからは115円台に戻れない状況

週末金曜日は115円台中盤近くまで戻したドル円でしたが結局上値はかなり重くなっており先週末のNYタイムは114円台中盤で終了しています。

週明けの東京タイムではさらに上値が重くなっており、すでに115円台には戻れない状況が続いており、昼前の11時半には113円台にまで下押しする瞬間も見られました。

しかしショートがあまりにも多いようでそれ以上は下げられず114円台に「ショートカバー」をしつつあります。本日はNYタイムが休日となっていることからロンドンタイム以降に大きな動きがでることは期待しにくい状態ですが、どこかで大きな「ショートカバー」を示現させたところで再度下値狙いをしてくる可能性が高まるものと見られます。

20日を前に投機筋からさらに投げがでる可能性も

いよいよトランプ大統領就任が近づきつつありますが、市場では就任演説を受けて再度大きく相場が買いあがるかどうかはかなり不透明であり、11日の記者会見のときのように「イベントドリブン」ファンドが改めて買いあがる仕掛けを出してくるかどうかも判らないことから、むしろ就任演説に向けて事前に調整が進む可能性のほうが多くなっているといえます。

現状ではドル高から円高へとトレンドが転換したわけではなく、あくまでロング勢の反対売買等による需給主導での相場の下落が進んだに過ぎませんので、底値に近いところを売りでついていくのはかなり危険ですが、すでに上伸力もかなり限られた状況になっております。

112円台まで下がれば買い場となる可能性も

今回118.600円レベルまで戻してダブルトップを形成したドル円相場ですが、113.746円レベルまでの押しではこれまでの急ピッチな上昇の調整としてはかなりあまい状況で、少なくともフィボナッチの38.2％戻しを考えれば112円レベルまでの押しがあってもおかしくはない状況です。

また逆にここまで下押しすれば逆に一旦絶好の買い場となることが考えられますので、慎重に買いのポイントをさがしていきたいところです。

依然として月末月足が20ヶ月移動平均の上にいられるかどうかがポイント

月末まであと半月ということになりますが、毎回ご紹介していますとおり、月足が20ヶ月移動平均を上回って終了するかどうかでドル円の2月の動きはかなり変わってくることになりそうです。

相場を上げたり下げたりするのに主導的な役割を果たしている投機筋もこの線を上回って1月相場を終えるか下回るかに非常に注目していることから、月末最終日の終り値次第でドル円の動きががらりと変わる可能性も残されています。

トランプ政権スタート後のドル円相場の見方もまちまち

まだひとつの政策もスタートしていないトランプ政権ですが、減税が先行すればインフレ率が高まることになり利上げも加速することでドル円は大きく上昇するという見方がある一方で、保護主義的な政策の度が過ぎれば結果的に米国経済の成長を圧迫することになり一旦株も為替も下落という見方もでてきており、どちらが正しいのかはまだこの時点では全く判断できないのが現状です。

ただ、ひとつ確実にいえるのは、トランプ登場までの米国の金融市場は「FRB」が過度に「金融緩和」を行い、金利がかぎりなくゼロに近い水準にあったからこそ示現できたものであり、今後大きく金利が上昇するというある種のパラダイムシフトが起きようとする中で株がこれまでのように単純に上昇するとは思えないことだけは確かです。

このあたりも考慮して売買をしていませんと、ドル円が単純にここから上昇すると思い込むのはそれなりのリスクを抱え込むことになる点だけはしっかり理解しておくべきでしょう。

（この記事を書いた人：今市太郎）