年初早々東証では日経平均が大幅上昇し4年ぶりに大発会でプラスからはじまったことで市場はリスクオンモードになったかのように見えました。
為替もドル円は久々に118円を回復するなど比較的堅調に推移し、上値を再度試しにいくかのように見えた相場ですが、「FOMC議事録」の開示で117.700円レベルまでNYタイムで回復した相場は翌日5日の東京タイムで上値の重たさを感じたあたりからいきなりユーロドルが吹き上がり始め、それと呼応すうようにドル円はドルが売り込まれる形で大幅下落を示現させることになりました。
116.500円のストップロスをつけてからは坂道を転げ落ちるような勢いで下落を開始し、ロンドンタイムではさらに売り込まれて115.500円に迫るところまで大きく下値を試す動きとなりました。
一説には11日のトランプの会見を市場が嫌気という見方も
日足の21日ボリンジャーバンドで見ますと、すでにセンターラインを抜けて-1σまで到達する下落となっていますが、今回とめられた115.500円レベルというのは昨年も何度かとめられた水準でもあったことからすんなりとは下抜けせずに済む状況となっています。
「FOMC」の議事録の内容でも決定的なものがあったわけではありませんが、一説によると1月11日のトランプの大統領就任を控えた記者との会見の実施を市場が嫌気しているとの見方もあり、ツイッターの呟きでも影響がでているわけですから、今後トランプ会見やマスコミとの接触がきっかけとなり相場が乱高下することもありそうな状況となってきています。
ただ、月足の20ヶ月移動平均線は現在114円を切れたあたりに存在しており、これが下抜けない限りは今もドル円は上方向への上昇の可能性を残しているということができます。
今回、ドルの下落のきっかけはユーロドルのドル売りでしたが、東京タイムにこうしたものが持ち込まれるのは異例であり、これと並行してドル円も流動性の高い東京タイムに利益確定なのか損切りなのかはわかりませんが大玉が持ち込まれた可能性は高そうです。
面白いのは日経平均がほとんど連動して下押しすることがなかったことで、株と為替の連携性もあまり関係ない状況となっています。
雇用統計がどのぐらい相場に影響を与えるかに注目
年明け早々から米国の「雇用統計」の発表が7日に控えていますが、数字がよければそれなりの上昇を果たすことになるとは思うものの、117円台中盤のレジスタンスラインを抜けなければ、またしても戻り売りのいいタイミングになる可能性があり注意が必要になりそうです。
一方下値も115円をはっきり割り込んでくるようですと、その下の114円台が守れるかどうか次第で、ドル円のトレンドが再転換するリスクも考えておかなくてはならなさそうです。
トランプ浮かれ相場は一旦終了の可能性大
ここからさらにドル円がどのよう動いていくかは注視する必要がありそうですが、どうやら昨年11月9日からはじまったトランプ相場は少なくとも為替については一旦終焉した可能性が高く、ただ単に順張りで上昇についていくのでは利益が出せない時間帯に差し掛かっているように思われます。
ただ、オシレータ系のツールを見ていますと明確な方向感があるわけではないようですから、比較的幅の広い乱高下相場を見たほうがいいのかもしれません。
やはりエントリーポイントを厳選して対応することがこうした相場時期ではきわめて重要になります。中途半端なところでポジションをとってしまいますと、買っても売っても投げと踏みに襲われることになりかねませんから、どうすればいいのか判らないときにはとにかく様子を見て、自信の持てるタイミングを厳選してエントリーすることが重要になります。
どうやら年初の為替相場も一筋縄ではいかない結構むずかしい展開が続きそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)