10月に入ってからいきなり上昇を続けてきた「WTI原油先物」、日経平均、ドル円、ドル買い円売りがいよいよ11月に入って崩れ始めてきました。
きっかけは10月末に突如として登場してきた、ヒラリークリントンのメール問題のように見えますが、もともと11月8日の米国大統領選前にリスク回避からほとんどが手仕舞いになるのではないかと思われましたから、まあ予定通りの動きということができそうです。
昨年に比べればほぼ1ヵ月程度早いファンドの手仕舞いに見えますが、ここからは10月から一転した売り相場になる可能性を十分意識してポジションをつくることが重要になりそうです。
しかし、11月30日には個別の減産が合意にならなさそうな状況になってきている上に、ロシアが50万バレル程度の増産を行っていることもわかり、微妙な市場の変化を感じ取ったファンド勢は一斉に売りをはじめて足元では1バレル46ドル台にまで下落してきています。
これだけでも株式市場は嫌気をしていますから、米国の大統領選挙と関係なく株価も下落傾向にあったというわけです。
日経平均も1万8000円に届かず一端ピークアウトか
10月に入ってから外国人投資家が参入して上昇を続けてきた日経平均もいよいよ息切れ状態になりつつあるようで、1万7000円を維持できるかというところまで下落が始まっています。
ここからは投機筋も売りで対応していくことが予想されますから、ドル円も連動するとなれば当然売り込まれることになりそうです。
ドル円はボリンジャーバンド2σをつけたのがピーク
肝心のドル円ですが、10月28日につけた105.530円レベルがどうやらピークであったようで、ボリンジャーバンド日足の2σにタッチしたところで下落をはじめています。
まだ完全に上値を試す可能性がなくなったわけではありませんが、おそらく11月8日にむけてむやみにポジションを増やす向きもかなり少なくなるものと思われ、ここからは閑散相場が続くものと考えられます。
日銀政策決定会合にピクリともしなかったドル円
ところで11月1日には「日銀政策決定会合」が開催されましたが、市場の反応は恐ろしく冷ややかで今回は何も出ないという事前の読みもあったのでしょうが、まったく買いあがるわけでもなければ、売りがでるわけでもない、ある意味で市場からほとんど関心を得られいないイベントになってしまったようです。
とくに量的な緩和措置がこれ以上期待できないということもあり、市場の評価が簡単でなくなったことも手伝って相場はまったく関心を示さなくなっているようにも見えますが、もはや日銀の「金融政策」でドル円が円安に動くことを期待すること自体難しくなっているようにも思われます。
大統領選で大きく下げればそこが買い場
今週は「雇用統計」もありますが、おそらくよほどいい数字でも出ない限りほとんど動かずに終わってしまうのではないかと思われます。
市場は「リスクオフ」という言い方をしていますが、結局足元で大きく買い戻しをしているのはどうみても期末を控えたファンド勢にほかならず、すべての下落が終了したところがまた新たな買い場として機能しそうな状況です。
大統領選はとにかくあと少しで実施となりますから、結果を見てからどうエントリーするかをしっかり考えて様子を見ておくことが今回はさすがに得策になりそうです。
ここからはまだまだ利益を得られそうな機会が登場しそうですから、慌てずに参入タイミングを見計らうことにしたいと思います。今のところ結果がわかっているトレーダーは誰もいませんから勝負はまさにイーブンからのスタートとなります。
(この記事を書いた人:今市太郎)