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週末英国のメディアが挙って「マークカーニーBOE総裁」が週明け数日以内に辞任するという報道をはじめています。
表面的には「GDP」が増加したりして比較的安定しているかにみえた英国経済ですが、法人税は減少し、VATも低迷、借り入れ費用の増大などもかさみ、さらに極度のポンド安からインフレを引き起こし始めており、かなり手綱さばきが難しくなっている状況です。
しかし表面上の問題とは別のところに辞任の大きな原因があるのかも知れません。
メイ首相との確執も本格化
Photo Reuters.com
ただ、足元の状況で「カーニー総裁」が辞めると言い出すとすれば、多くの英国民が思いつくのはメイ首相との確執問題です。
日ごろおとなしい「カーニー総裁」は正面切ってメイ首相との確執を強めており、とくに最近では公然と「中央銀行」は政権とは独立した存在なのだから余計な口出しをするなとメイ首相を公然と批判したのは有名な話で、すっかり政権と「中央銀行」の間に溝ができてしまった状態です。
公的な理由としてカナダから英国に来ているご本人の家族の問題から、帰国するということになりそうですが、表面的にはいろいろな理由を挙げて辞任をすることとになるとしても、問題はこうしたシビアな人間関係の確執にありそうな状況です。
今週は四半期のインフレレポートが木曜日に発表されますので、その時期に辞任が発表される可能性もでてきているのです。本来2018年で辞職するのではないかと見られていましたが、この状況では「カーニー総裁」は2017年にとっととカナダに帰国しかねない状況になってきているようです。
財務大臣のハモンド氏は「IMF」の総会出席字に米国のルー財務長官からかなり厳しくハード「BREXIT」のリスクを言われたようで、帰国後突然ソフト「BREXIT」を口にしたことからメイ首相の逆鱗に触れる状態となっております。
既に朝の閣僚会議への出席に呼ばれなくなるといった猛烈な状況も露呈し始めているようで、財政金融関係の政策をメイ政権でコントロールできる人間が不在の状況になっているのも非常に気になるところです。
メイ首相というのは実務派でかなりおとなしい存在とばかり思われていましたが、実は国内ではかなり要人をフリクションを起こす存在であることがはっきりしてきており、ここからは議会との対立も強まることが予想されることから、「カーニー総裁」の辞任が公になるとポンドに与える影響がかなり大きくなることが予想されます。
ハモンド財務相は「カーニー総裁」は8年間の任期を全うすることが望ましいとしていますが、当のハモンド氏自身がこの先どうなるかわからない状態ですから、「BOE」総裁を慰留しようとする人間も閣僚サイドには現れなくなる可能性が高くなってきています。
このメイ首相がどのような人物なのかについては下記の記事をご参照ください。
週明けのポンド相場の動きは要注意
為替相場がこうした報道をどう捉えるかに注目が集まりますが、少なくともポンドが買われるようなネタではなく、仕掛けが入るとすればオセアニア市場に売りがでるリスクも想定しておく必要がありそうです。
とくにオーストラリア、ニュージーランドは英連邦の英国ネタに敏感ですから、嫌気して売られるという事も十分に考えられる状況です。
今週は「日銀の政策決定会合」、「FOMC」、「米国雇用統計」とイベント目白押しであるため、なるべくノイズが増えないことを望みたいところですが、英国のハード「BREXIT」は10月の為替相場でもっとも市場に影響を及ぼしたものとなりましたから無反応で通過するとは思えません。
とくにここのところ東京タイムのスタート前に妙な暴落が起きたりしていることにも注意が必要で、リスク回避のセンチメントが強まればドル円もヒラリーメールの報道の後だけに、再度円買いに大きく戻るきっかけとなる危険性もありそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
