アメリカ大統領選の不吉なアノマリーを語る

第二回目となる米国の大統領候補によるディベートが無事終了しましたが、相場の反応はほとんどなく東京市場は休日であることも手伝って、ポンド円の下落に付き合わされる程度で大きな動きは出ていません。

大統領選のディベートは双方のあら捜しに終始しており、およそディベートとしての体裁を維持できていないようにも見えますが、口を開けば支離滅裂感の高まるトランプ候補がどんな討論会を行っても支持率を大して下げないところにこの大統領選が抱える深い闇がありそうです。

本来ならばクリントン圧勝とならないあたりもなんともわかりにくい部分であり、これは最後までどうなるかわからないことを示唆しているのかもしれません。

大統領選の嫌なアノマリー

ところで米国の大統領選に関しては実に様々な「アノマリー」が出回っています。

どれもこれも事実をベースにした過去の話ですから未来にそれが同じ形で示現されることにかどうかはまったくわかりませんが、この大統領選は16年周期で政権政党が変化しており、その16年周期で言えば今回は共和党の出番ということになります。

民主党は1960年のケネディ、1976年にカーター、1992年にクリントン、そして2008年にオバマですから、本来ならばヒラリーへと続くことにはならないのがこの「アノマリー」となるわけです。ただし過去2回はこの「アノマリー」を逸脱する動きがでています。

それは1928年フーバーダムで有名な共和党フーバー、そして1936年民主党のフランクリンルーズベルトの時となるわけです。

金融市場の年表からこの年を見てみますと、大統領誕生の翌年1929年がご存知世界恐慌、そして1937年は「レイ・ダリオ」がよく口にする利上げによる株価暴落の大失敗ということで、「アノマリー」外の人物が大統領になると、翌年えらいことが起きることももうひとつの「アノマリー」になっているのです。

米国のリセッションは間違いなく近づいている

まあこれは単なる「アノマリー」に過ぎませんから、過去と同様の繰り返しが本当に起こるのかどうかはまったくわかりませんが、米国に「リセッション」の波が近づいていることだけは間違いなさそうで、とうとう8年を超えた米国の株式相場の上昇もここからは大幅下落がいつ起きても不思議ではないところにさしかかってきています。

9月、10月も米国株式市場は相場下落が懸念されましたが、今のところ大きな変化は起こっておらず、何かあるとすれば大統領選以降になる可能性はたしかにありそうです。

もともと相場が危ないと言われてそのとおりに暴落したことなどはありませんから、メディアで騒がれだすとそのとおりにはならないのが世の常ではありますが、暴落の引き金がひかれますとストップロスを置いて予防措置をとっていてもそれ以上の損害を受ける可能性があるため、非常に上昇を意識した買い向かいが気になる相場となります。

特にドル円はそうした傾向が強くなりますが、日常的に常に売りのポジションをとるわけにもいかず、なかなか苦慮させられることになるわけです。