読み込み中...
6月16日の「日銀政策決定会合」は昼前に早々と現状維持を発表し、それを受けてドル円は大きく売られ104.53円レベルまで下落しました。
さすがに英国の国民投票もどうなるか不透明であるこの時期に日銀だけが勇み足で緩和措置を打ちだすことは考え難かったものの、相場は「イベントドリブン」のファンドなどが売り浴びせを行ったのか1円以上も下落し、とうとう104円台で推移することとなりました。
薄商いの中で中心は短期筋の売買
相場は参加者が少ないのか、かなり場が薄い印象で、あっという間に104円台中盤までドル円の値を下落させることとなりました。
しかしほとんどが短期筋であるためここからロンドンタイムになるとドル円はさらに相場が薄くなることが予想されるため、23日に向けて一定の買戻しがでることが予想され、場合によっては相当なショートカバーが出る可能性が高まっています。
ある意味で一方向には動かない危ない時間帯にさしかかっており、調子にのって売りに参加するよりも現状でとれている利益をしっかり確定して様子を見るべき時期が迫ってきているようです。
何をしても株も為替も売り込まれるようになった日銀政策決定会合
しかし冷静に考えて見ますと、もはや政策の中身以前に何を出してきても相場が下落に転換するポイントとして機能するようになってしまったのが「日銀の政策決定会合」で、投機筋からいいように売り込まれるようになってしまっていることが気になるところです。
今回の政策決定はとくに大きな変化は期待できなかったはずですが、難なく1円以上の下落を示現してしまったあたりが日銀の運営の力量不足を強く感じさせる状況になってきています。
実際に緩和を繰り出してきたとしても、材料出尽くしと見られればまた売られることになりますし、ここからの日銀の対応もかなり難しさを増しているといえそうです。
100円切れまであとほんの4円50銭たらず
さて、ドル円が105円を切れてきますと、もう110円に戻るよりも100円を切れるほうが近くなってきており、BREXITが現実のものとなった場合には、100円を切れる可能性がかなり高まってきた状況にあります。確かに1日に5円近く下落すれば「為替介入」の要件を満たす可能性はありますが、毎日じりじり下落することになれば、事実上介入はできないことになります。
また今回のBREXITのような事態による通貨高の場合、他国の通貨にも大きな影響がでるため、「協調介入」を実施しないかぎり、その効果がでるかどうかは判らない部分があり、現実的には日本だけが介入すればいいという問題ではなくなる可能性も出てくることになります。
ロンドンタイム以降大幅な流動性低下に要注意
ここからは23日にかけて、さらに大幅に市場参加者が減る可能性が高まっています。
したがって、相場が事前に買い戻しになったりした場合には、相当な戻りになる思わぬリスクに直面することが出てきそうですので、とにかく現状で利益が出ているものは欲張らずに一旦リカクしておくことをお勧めします。
ドル円はドルストレートですから比較的安全ですが、クロス円での取引をする場合、とくにユーロ円、クロス円はここからの動きが非常にトリッキーになることが予想されるため、できるかぎり売買は手控えてドルストレートを基本にすることが重要になります。
どうやら土壇場に来て市場がBREXITを織込みはじめて騒ぎになりつつあるところを見ますと、この英国の国民投票は、我々個人投資家もほとんど経験したことのないような大きなリスクをはらんでいるようですから、とにかく楽観視せずに慎重な売買を心がけたいところです。
23日にこだわらなくても24日の開票以降も十分に利益機会を見込めるのが今回の英国の国民投票のようですから、慌てないことがもっとも肝心です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
