大方の予想通り、16日の日本時間午前3時に発表された6月の「FOMC」の結果は利上げを見送る形となり、7月以降の動きが注目されることとなりました。
ドルは一時的に売られる形となっていますが、概ね予想通りということもあり、ドル円は年初来安値となる105.44円台まで下落はしたものの105円を突き抜けるような激しい動きにはなっていません。
また「FRB」は年内2回の利上げ予想もキープしており、焦点は7月利上げの有無へとシフトしそうです。年2回が実現するとすれば7月と12月、もしくは9月と12月という選択肢がより鮮明になりそうです。
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サプライズを好まないコンセンサス重視の決定内容
米国の経済指標はまだら模様ですべてがいいわけではありませんが、少しでも経済状況がいいときに利上げをしておきたい「FRB」の腹積もりがかなり見え隠れするようになっています。
ただ労働市場が減速していることは「イエレン議長」も認めており、今後も労働市場の推移が利上げのために大きな影響を与えることは間違いないようです。
株式市場は利上げの延期を好感して上昇に転じており、米国の利上げが株式相場にかなり大きな影響を与え続けていることを改めて痛感させられる動きとなっています。
「FRB」は市場との対話を重視しているため闇雲なサプライズを好んでおらず、今後の利上げも事前にサインがでてから実施されることになるため、比較的安心してみていられる内容となっています。
市場はやはり英国の国民投票の方をより注視
「FOMC」の結果を受けて為替相場は多少上下に振幅することとなりましたが、大きくドルが売られるほどではなく、想定内の動きになってきています。
この原稿を書いている時点では「日銀の政策決定会合」の結果はわかりませんが、やはり英国の動きを見ないことには政策が有効に機能しないことから見送っていることははっきりとしていることがわかります。
ある意味では英国の結果がどうなるか判らないことを示唆するものであり、来週の23日は益々クリティカルなイベントになりそうです。
FOMCを終えて為替市場は益々動かない状況に突入か
今週は水曜日の東京タイムあたりでもかなり場が薄く市場参加者が少ない印象がありましたが、「FOMC」を超えていよいよ為替相場は来週に向けて様子見の状況が強くなりそうです。
来週一週間は英国の投票前の世論調査の結果で、相場が上下に振らされることが予想されますが、どうやら本当に投票が行われてみないことにはどうなるのかが判らない状況であり、結果がでるまでは意外に相場はおとなしい展開になる可能性もでてきています。
当初6月は非常に為替相場にとっては材料の多い月で、そのひとつひとつのイベント毎に相場が大きく振らされる展開になるかと思われましたが、市場のテーマは完全に英国のEU離脱問題だけが焦点になってきていることがわかります。
ドル円は105円割れにさらに注意が必要な状況に
またドル円については、これまで105円台に入っても中盤のレベルがかなり堅い状況でしたが、「FOMC」の結果を受けてあっさり105円55銭という重要なラインを下抜けましたので、ここからはさらに105円割れを試しに行くこと間違いなく、どこでそうしたセンチメントが高まることになるのかははっきりしませんが、23日の投票前後での動きにも十分な注意が必要になってきています。
また23日の結果如何では100円に迫るほとの「オーバーシュート」気味な下落も予想され、レベル感から買い向かうことは非常にリスクが高まりそうです。
明確な動きを確信できるまでは、できるだけポジションは持たずに様子を見ることが、結果的に証拠金を失わない得策となりそうな向こう一週間が到来しそうです。
特に日ごろポンドで取引をされていないトレーダーの方は、にわかポンドトレーダーとなることで大きな損失に巻き込まれることがないようにより一層の注意をすることが求められます。
(この記事を書いた人:今市太郎)