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3日の異常とも思える「雇用統計」結果を受けて発言の内容に注目が集まった、フィラデルフィアでの「イエレンFRB議長」の発言ですが、利上げの含みは持たせながらも「今後数ヶ月」という言い回しが発言から消え、英国のEU離脱を賭けた投票についても注目しているといった内容が飛び出しました。
さらに5月の「雇用統計」結果に問題があることも明確に発言していますので、これは完全に6月利上げはなくなったと見ていいでしょう。
また本邦の一部エコノミストは、7月についても可能性が残っていることを指摘していますが、FedWatchの確率は30％台にまで落ち込んでいますので、ここで慌てて利上げをする理由はほとんど無くなったと言ってもいい状況になってきています。
日銀の政策決定会合も限りなくゼロ回答に近い状態
14日、15日の「FOMC」が重要イベントとして機能しなくなり、すでに市場もほとんど結果を織り込んできていることから、このタイミングでドルが大きく売られる可能性はなくなりましたが、翌日の16日には「日銀の政策決定会合」が待ち構えていることとなります。
一部のアナリストからは緩和期待も出ているようですが、このタイミングで日銀だけが限られたタマを出してくるとは考え難く、こちらも無風で終わることになりそうです。
このタイミングまでに1週間以上時間がありますので、よほど株価が崩れるといったことがあれば話は別になりますが、財政出動もないままに日銀だけが追加緩和を行うことは想定にしくい状況です。
となりますと、6月の最大ポイントは「英国のEU離脱がどうなるか」の一点に集中してくることになりそうで、これはかなり意外ですが、それしか材料になるものがなくなりつつある状況なのです。
16日からの6営業日はポンドに影響を受ける地合に
したがって16日何も起こらない「日銀の政策決定会合」以降は英国のEU離脱に市場が大きく影響を受けることになりそうです。23日まではちょうど6営業日あり、この間のポンドの上下動がかなりドルやユーロ、円に影響を与えることを覚悟しておく必要がありそうです。
直接的にポンドを扱わなくても、ポンド売りがでれば当然ドル円も円高に振れることになりますので、思わぬ下落にも対応するためにポジションを少なくもっておくといった調整も必要になります。
とくに英国の離脱が過半数になった場合には、ポンドはドルに対して、1000PIPS程度下げる可能性があるとさえ言われていますので、ドル円もそれに対応すればかなりの影響を受けることが考えられます。
とくにクロス円が大きく下落することが、ドル円を引きずることになりますので、ロングでドル円に向かう場合には23日を挟んだ一両日中ポジションをもつことを相当注意したほうがよさそうです。
残留優位の開票速報で買われても結果でまた売られる可能性
2年前の「スコットランドの住民投票」の時もそうでしたが、開票の出口調査結果などが判明するとその段階から買い戻されることになり、最終結果がでると結果また戻り売りされるといった独特の動きがでることになりますので、最後まで気を抜けないのがこうした選挙結果に連動した為替の動きとなります。
ここからはポンド円やポンドドルの動きもチャートで常に確認しながら売買をしていくことが安心となります。足元ではポンド円もいきなり吹き上げてみたり下落したりと猛烈にボラタイルな動きを示現するようになっていますので、意味不明の相場展開に巻き込まれる可能性は十分にあるといえます。
日ごろでは体験できないような動きになることも十分ありますので、選挙がはっきりする24日まではポンドのみならずほかの通貨ペアでも相当慎重に対応することをお勧めします。
（この記事を書いた人：今市太郎）
