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FOMC議事録公表で110円台乗せのドル円

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日本時間19日の午前3時に公表された米国「FOMC議事録」は「今後入手されるデータが景気改善を示せば6月に利上げする可能性がある」と参加者が論じ、次回会合で政策行動に移る公算は小さいとの市場の見方と相反する「タカ派」的な内容となったことからドル円は一転買戻しが強くなり110円台にまで上昇することとなりました。

しかし、ここから上は本邦「実需勢」がびっしり売りをもって待ち構えており、簡単に110円まで到達するとは思えず、逆に絶好の売り場となる可能性がでてきています。
この議事録だけではなかなか先の事はわからないのが実情ですが、少しでも6月の利上げ手がかりが、ほしい相場は、その内容に反応してドルが買われる状況となっています。
しかし、株価は明確にこの利上げ観測を嫌気して下落しており、株価だけを頼りとしている「FRB」の政策が本当に履行されるのかどうかもかなり微妙なになってきています。

Fed Watchも33.8%まで上昇

毎度おなじみの「CME」が公表しています「FedWatch」の6月利上げ確率は、ここへきて急に上昇をはじめており、33.8%にまでその数値が上がる状況となっています。

ただ、一般的にはこの数字が7割以上にならないと、なかなか実現は難しいという味方もあり、果たしてこのまま6月に「FRB」が利上げを断行するのかどうか、当分相場はそれに振り回されることになりそうです。

次回FOMCの微妙なスケジュール

次回の「FOMC」はきわめて微妙なスケジュールで展開されることから、本当に利上げを実施できるのか懐疑的な意見が強くなりつつあります。

15日は英国の「EU離脱」をめぐる国民投票の前にあたり、市場の様子をつぶさに観察する慎重派の「イエレン議長」がこのタイミングで英国の結果を見ずに、先行して利上げに踏み込むことにはならないのではといった「FedWatcher」の見解も強まっています。
また、中国の金融市場がここへきて不穏な動きを見せ始めており、不動産バブルの再燃とともにこの夏どこかで「再クラッシュ」する可能性もでてきていることは、当然のことながら「FRB」でも強く認識していると思われることから、簡単に6月に利上げが実施できる状況ではないこともわかります。

6月15日のFOMC前にドル円が下落する可能性も

20日からは「G7」仙台が開催されますが、この会議で、日本側が期待するように、ドル円の円高方向が懸念事項として挙げられる可能性は極めて低く、むしろこれまでのように無闇に「為替介入」を行わないこと方が再確認されて終わることになれば、週明けの相場はドル円の下落から始まるリスクも高まっているといえます。

なによりドル円の上伸を抑えるのは実需の執拗な売り

また110円台は年間の社内レートを下げてきた本邦「実需勢」の売りがとにかくびっしり並んでおり、110円台後半から111円台にかけては、さらにその壁が鉄板のように続いていると言われています。

ここから4月の「日銀政策決定会合」直前の112円台手前まで、あるいはそれを越えるところまで戻すのは至難の技であり、短期的にはむしろ売り場となる可能性が高くなりつつあります。
さらに安倍政権自体は、並々ならぬ意欲を見せる「伊勢志摩サミット」ですが、先進国間で財政出動に関して協調的な行動が具体的に登場する可能性も低く、こちらも開催後に相場が下落する危険性がでてきています。
噂で買われる状況にはありませんが、事実で売られる可能性は高いといえるのです。
6月は日米欧と政治的なイベントスケジュール満載で、何に相場が振らされることになるのかはっきりわかりませんが、「原油価格」も上伸している中ではドル安の基調が継続するものと見られ、ドル円についてもここから大きく買い挙げる動きにはなりにくい状況です。
ストップロス」は置くとしても一旦は高値で戻り売りをしてみるチャンスが到来しているようです。
特にここへきて、なりを潜めている海外の「投機筋」も絶好の戻り売りの場を模索しているようで、ドル円は引き続き下落リスクと、どう付き合っていくかが大きなポイントになりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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