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黒田バズーカ3は果たして月末登場するのか?

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6日連続で下落し1800円以上の値を消した「日経平均」は7営業日目にしてやっと上昇を果たすことができましたが、14日にはまたしても大幅下落を示現することとなり、ザラ場で1万7000円を割る動きとなってしまいました。
しかしこのタイミングでは「PKO」を思しき買いが株にも為替にも入り、後場に急激に相場を引き戻す動きが明確になって引けとなりました。
この「日経平均」1万7000円というのは2014年10月末の「黒田バズーカ2」が実施になったときの相場のレベルであり、ここを割ってしまうとこの1年数ヶ月の動きが何の意味も持たなくなってしまうことから、インダイレクトな手心を加えたのが本日の相場の状況だったのではないでしょうか?
無理やり買い上げた相場はドル円で118円台初頭まで急上昇しましたが、買い手の力が収まるとずるずる値を下げる動きになってしまいました。
市場では「日銀」の緩和が近いのではないかといった憶測がいよいよ飛び交いはじめていますが、本当にそうなるのかどうか?今回は「黒田バズーカ3」の可能性についてまとめてみることにします。
   

12月の不可思議な補完措置のおかげで国債買い入れの準備は万端

12月18日の「日銀」政策決定会合では緩和と間違わせるようなニュースレリースのおかげで、アルゴリズムが買い上げた挙句の失望売りで年末まで株も為替もその価格が尾を引く最悪の展開となったことは記憶に新しい状況です。

実はこの補完措置のおかげで既に買うものがなくなったといわれた「国債」は長期から超長期まで買い入れ可能となりました。
しかも銀行が担保のために最低限保有しなくてはならない「国債」も担保の変更に売れるようになったことから、今やろうと思えば思い切った「バズーカ3」を実施できる環境は整っているといえます。
上場企業の為替想定水準は平均で119.500円ですから、現状はそれを下回っており、このままでいけば企業の決算時の利益を圧迫することは間違いなく、またしても株価下落の要因を作り出すことになってしまいます。
なにより1万7000円割れは上述のように「黒田バズーカ2」の意味合いを否定することになりかねないため、この水準で何かの手立てを売ってくると期待することはよくわかる状況となっています。
さらに12日にフランス出張をするはずだった「黒田総裁」は出張を取りやめてステートメントだけが発表されていることから、なにか緩和の準備をしているのではないかとの憶測が急激に高まっているのが足元の状況です。
  

日銀のバズーカの真の目的は消費税増税完全実施

表向きは名目物価目標2%の達成が「日銀」の「量的金融緩和」の大義名分となっていますが、実際には消費増税のための「バズーカであることは2014年先走って「バズーカ」を撃った事と、政権とおおもめにもめた経緯を見ても間違いない状況です。

確かにこのまま株価がずるずる崩れれば安倍政権は消費増税を諦めて、衆参同一選挙に打って出るといった「財務省」「日銀」にとっては全く不愉快な選択肢を持ち出しかねませんのでできるだけ参院選挙に近いところで「バズーカ3」を登場させたいと思っている事は間違いないものと思われます。
しかしこの1月段階、しかもドル円118円前後をうろうろしている状況で、すでにあと一回しかできないのではないかといわれる「黒田バズーカ3」を本当に登場させることになるのかどうかはかなり微妙な情勢であろうと思います。
特に株価は1万7000円どころかもう一段下まで下落する可能性もあるわけですから、このタイミングで早々とバズーカ3を登場させてしまい、3ヶ月持たない賞味期限を使い果たすかどうかは、相当可能性の低いものなのではないでしょうか。
特に7月の参院選挙までまだ半年ある状況下で、今から先出ししてしまうと後が無いところが非常に気になるところです。
もともと「日銀」の「金融緩和」は消費増税の実現とともに「国債」金利を上げないことが至上命題であり、株価と為替の下落はおまけでついてきているに過ぎません。
したがって最後は金利を上げないことを優先するはずで、とくに為替については100円近くまで落ちない限り、今大きくてこ入れすることは考えにくいと言えます。
果たして今月末に予定されている政策決定会合において「なにか」出るかどうかが注目されます。
また、何もでなければ応分の失望売りも想定しておかなくてはなりません。
(この記事を書いた人:今市太郎
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