東京市場が休場となっている1月11日ドル円は市場の注目ポイントであった20ヶ月移動平均線を予想どおり下抜けることとなりました。一旦はショートカバーが出ていますので117円台に戻していますが、今週「
投機筋」が116円抜けを狙いにいくことはほぼ間違いない状況へとトレンドが転換しています。
年明けから大きく相場が変化しており、レベル感での買い下がりはきわめて危険な状況になってきています。早ければ11日の夕刻のロンドンタイム以降から下落狙いの動きが出る可能性が高まっていますので、個人投資家は十分に注意しながら「
ポジション」をつくることが望まれます。
116.17円レベルまでほとんどサポートラインなし
ドル円は、昨年「8月24日に中国問題起因で下落」した116.17円レベルまではほとんどサポートらしいサポートラインはない状況です。
したがって、これを抜ければ115円台に入ることは必至で、いっぺんに110円台まで押し込むとは考えにくいものの、一旦戻ればまた必ず下落する相場展開が続くことになるものと思われます。
2月1日の中国の旧正月入りまでは一進一退で相場が上下にぶれまくりながら下値を試すことになることが予想されます。
短期投機筋は20ヶ月移動平均線割れで売り浴びせを仕掛けてくる可能性大
海外の「投機筋」とりわけ「ヘッジファンド」はこの20ヶ月移動平均線割れの示現を固唾を呑んで見守ってきているといわれています。今週はじめにこのラインが割れたことは、プレーヤーの動きを明確に変化させる大きなきっかけとなることは、あらかじめ予想しておくべき状況です。
年明けから「
ポジション」を傾けることなく状況を見守ってきている短期「
投機筋」にとっては絶好の仕掛けどころがやってきているともいえるわけです。
長期的にはドル高であってもドル円をミクロでドル高と見るのは危険
ドルはリスク回避で確かに「資源国通貨」に対しては買われてきていますが、円も同様に買われており、しかもユーロ「キャリートレード」が定着してきていることからリスクオフになると明確にユーロドルが買い戻される動きが示現しています。
この3つの通貨の力関係からいいますと、安易にドル円が買い戻されると想定するのは1月いっぱいは相当リスクが高くなると考えられます。
今後さらに米国の利上げが行われれば、対円でドルが上昇するのは理屈として間違ってはいませんが、短期的にドル円が上昇することを安易に期待すると大怪我のもとになりそうです。
ドルインデックスは以下のチャートのとおりピークはつけていない状況です。
なにより米国債の長期利回りは利上げ後も上昇していない
さらにアメリカ「国債」の10年ものの利回りを見てみると、12月の利上げ後もまともに利回りは上がっておらず、リスク回避からその購入に市場の資金が集中していることがうかがわれます。これではドルが円に対して上昇することを大きく期待するのは難しい状況といえます。
底値で買いを入れる場合には26日標準偏差「
ボラティリティ」やRSI,3日単純移動平均ADXなどを駆使して並行的にチェックした上でエントリーの可否を判断するべきです。そのぐらい買い下がりは危ない相場となっています。
1月いっぱいは安易な思い込みは捨てて相場の動きに丁寧についてゆくべき
現状では極めて市場参加者が減っており、「ヘッジファンド」勢も1月第一週はほとんどなにも仕掛けをしていない中でこれだけの下落を示現することとなっていますので、この先も何が起きるかはわからない状況です。
楽観視にしても悲観視にしてもとにかく思い込みはやめて粛々と相場のプライスアクションを見ながら一喜一憂することなく売買を継続していく心構えが必要になりそうです。
8日の「
雇用統計」でも数値がよくてロングをしかけたのに結局「
損切り」を余儀なくされ落胆した個人投資家が多数存在するはずです。通常のロジックでは理解できない動きを相場がし始めているだけにひとりよがりのトレードだけは控えることが重要です。