25日は東京だけの相場であったため大きな動きにはならないかと思われましたが、すでに120円割れ寸前であり、週明け28日からの相場では120円割れを試しに行く動きが現実のものになりそうな状況となってきています。
理由は不明なるも今頃材料出尽くし感から下落か
非常に気になるのが19日の「日銀」の政策決定会合での大幅下落の後のドル円の動きです。
上のチャートはドル円の1時間足ですが、アルゴリズムが誤認して買い上げたあと大きく下落してからは、121円台に留まることもできないまま120円を割ろうとしていることがわかります。
標準偏差ボラティリティを見る限り、大きなトレンドがでているわけではありませんが、平均足で見ていると買い戻しがかかることもなくずるずると下げを加速し、すでに「レンジ相場」とは別の動きを示現しようとしているのです。
12月最終週に119.500円を割れて終了すれば相場は一変
「アベノミクス」相場がスタートした2013年から上昇過程を継続してきたトレンドラインがほぼ119.500円レベルにありますが、年末このトレンドラインを簡単に割り込むようですと年始からの相場展開にはかなりの赤信号がともりそうです。
個人的には年末少なくとも123円台までは回復して終わり、年明けに下落トレンドが現れるのではないかと思っていました。
しかし、「日銀」の政策決定のおかげで、ドル円相場の上限が123.500円程度であることもアルゴリズムの買い上げでわかってしまいましたし、すっかり上限を試すよりも下限を試しに行く動きが強くなっているところが大きな懸念材料となっています。
一部の外資系ファンド勢は「日銀」が参院選に向けて「黒田バズーカ」3を行う、その布石が19日の補完内容と読み取っているようですが、一方ではすでに「黒田バズーカ」3に規模感を期待すること自体が無理であり、「日銀」は手の内をすべて見せてしまったという見方も広がっていることからドル円の下落が進行しはじめております。
年末特有の流動性の低い相場だから下げているわけではないとする意見も出始めているところが注目されます。いずれにしても12月最終週に119円方向でどこまで下押しして終わるのかが非常に大きな問題となりそうです。
場合によっては年明け早々から大きく下値を試すという全く想定外の動きになることも覚悟する必要がでてきており、この最後の数日のドル円の動きは大注目となってきています。
すでにクリスマス入りで外人勢が先物を含めて買いを入れてこないことや、年末特有の損失確定相場の動きから先物主導で1万9000円台に乗せても現物相場ではずるずる値を下げたのが24日、25日の相場状況でした。
まがりなりにも年末株式相場が終値で1万9000円台にさえも戻れずに終わるとなると、ドル円の支援材料はほとんどなくなり119円台の下値を試す動きが加速する可能性は一段と高くなることが予想されます。
クロス円でも円高は進行中で、ドル円だけが大きく戻す可能性はどんどん低くなってきているのが実情です。「FOMC」での利上げで材料出尽くしと見ればきわめて自然な動きとも捉えられますが、「日銀」政策決定会合を境にしているところがなんとも気持ちの悪いところです。
2015年の最安値である116円割れ付近で止まることができれば反転の機会をうかがうことができますが、それを抜ければさらにドル円の相場状況は大きく変化することになりそうです。
まさかとは思いますが、現状から上下20円幅の振幅を考えればまったく可能性のないことではないと思っておく必要がありそうです。なんとも不思議な年末相場の展開が続きます。
(この記事を書いた人:今市太郎)