CFTCが15日発表した12日時点の建玉報告によると、「CME」の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対米ドル持ち高(ドル円のロング)は売りと買いの差し引きで2万5266枚の買い越しとなったことがわかりました。
前回の4103枚の買い越しから2万1163枚増加となっています。
またユーロの対ドル持ち高(ユーロドルのショート)は、14万6451枚と前回の16万643枚から1万4192枚減少しており、ドルが弱い状況に変化しています。
ですから、必ずしもこれが全てではないことは予めお断りしておかなくてはなりませんが、それにしても一定の方向感を確認するには有益な情報といえます。
この推移を見ていきますと、いよいよ投機筋は円買いで勝負をかけようとしてきていることが透けて見えてきています。
この投機筋による円買いは明らかに年明けから始まっており、円が弱含んだあたりから更なる下押しを予測するように買いが進んでいることがわかります。
1月15日のNYタイム終了時はぎりぎり117円(業者によっては116円台)で終了していますから、実際にはさらに膨らんでいることが想像されます。
しかもネットでドル円ショートが2万枚を超えたのは、「アベノミクス」とやらが始まる前の2012年10月2日以来の状況ですから、市場がいよいよ逆走しはじめる可能性が高くなっています。
ドル円20ヶ月移動平均は既に2回下抜け
注目されるドル円の20ヶ月移動平均線は1月11日週に2回116円台に突っ込んだおかげで完全に下抜けるのも時間の問題となってきています。
たいした施策をしたわけでもないのに「アベノミクス」などとさも政策があるかのようにつけられたネーミングのこの3年間に及ぶドル高円安も・・とうとう終焉寸前の崖っぷちまで来ていることがチャートから見えてきます。
115.50円あたりに抵抗ラインはあるものの、それを抜けると大きな下落になることが予想されます。
垂れたと思った標準偏差はまた上昇でダブルループ状態
1月15日のNY市場でのドル円の大幅下落を受けて日足の標準偏差(26日)は一旦垂れたはずが完全にまたピークへと盛り返しており、実に嫌な雰囲気を醸し出しています。
通常こうしたダブルループ状態が示現したときには、かなり大きな下げを演じることになり、115円台では止まらない可能性もでてきています。
そこに上述のように投機筋が大幅にドル円を売り浴びせようと待ち構えていますから、今回ばかりは大きな下げを覚悟しなくてはならないかもしれません。
11日の週では確かに13日以降標準偏差が垂れてきて一旦ドル円も買い戻しかと思われましたが、今の状況を見る限りどうやらそうではなくなっているようです。
1月5日~25日は水星の逆行期というオマケつき
こうなってくると藁にもすがりたい気分ですが、なんと15日は日テレの金曜ロードショーはスタジオジブリのラピュタがオンエアされており、しかも年間3回示現する水星の逆行は1月5日から25日までの期間となっています。
一般的にこの逆行期には今までと異なる動きが増幅され、しかも25日に近くなる前後2~3日は円高に動くことが多く確認されています。
まあテクニカルのあとの最後は結局アストロか?というのも節操がありませんが、一定の確率でこうした動きがでているということも忘れないようにしておきたいところです。
さすがにジブリの法則を云々しているのは日本の個人投資家だけのようですが、水星の逆行に関しては大手の米系証券や「ヘッジファンド」などでも真剣に分析しているそうですから、笑うに笑えないネタといえそうです。
ただ、この逆行というのは地球から見てそう見えるだけで元に戻るところがポイントです。
2月になったらまた上昇ということもありえるわけです。15日のロンドンタイムにずっと117円20銭台を下押しする相場のプライスアクションをみていましたが、これは116円台まで突き抜けるなと感じる動きでした。
嫌な感じがしたときは最低限ポジションを手仕舞って様子を見るといった用心深さをもつことも重要です。とくに18日からの週相場は荒れそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)