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金融関係者が口にし始めた90年代バブル崩壊

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1月から大幅下落が続く株と為替の相場は特に日本に絡むところが大きく下落しており、買い向かった向きも売り向かった向きも等しくやられてかなり痛んでいる状況が継続しています。
株では「追証」を捻出できず相場から撤退したトレーダーも多いようですし、「ストップロス」をおかずに対応して大きくやられたFX個人投資家の姿も目立ちはじめているようです。
年明けからほぼ1ヵ月半以上を経過した今の相場を、90年ごろからの「バブル崩壊」や、2007年の「サブプライム」以降の不思議な相場展開に酷似していると言い出す業界関係者が増えているところが非常に気になります。一体何が似ているのかについて情報をまとめてみました。

後講釈の理由は多数存在するが、決定的な理由がわからず下げる相場展開

年明けから相場が下落するたびに、中国だ原油だと理由は次々登場して、その都度一定の納得は得られてきましたが、決定的な状況となったのは春節で中国市場がお休みであっても「イエレン」議会証言から相場が大きく下げることになったことです。

よくよく考えて見ますと、12月3日に「ECB」の追加緩和も結果は不発、12月19日の日銀の補完措置も結果としては株と為替の大幅下落の要因になり、1月の「日銀のマイナス金利」は見事に3日でその効力を失ったという「中央銀行」主導による市場の逆走状態が次々続いていることがわかります。
90年代の日本の「バブル崩壊」の時も「ファンダメンタルズ」は決して悪くないといいながら徐々に相場は崩れだし、理由も明確にはわからない状況下で二度と元に戻らないまま下落のラインをひた走ることになり、当時を知る人たちは異口同音に「この状況と今が似ている」と言い出しているわけです。
しかも足元では、「ドイツ銀行」の債務問題が大きく取り上げられたり、「中国人民銀行」の外貨準備率が大幅に落ち込んだりとマイナスを助長するようなネタが次々と登場するようになっております。
現在の相場状況は、特定の原因があって相場が下げているとは断定できない複合的な市場状況に陥っていることが気になるところです。
歴史は繰り返すのであれば、今の状況はかなり危ないと認識すべきなのではないでしょうか。

一時的下落ではなく既に大幅な下落局面の途上か?

これは、恐らく将来になってみれば全貌がわかることであろうと思われますが、上昇局面の中で一時的な大幅下落の状況になっているのではなく、既に下降局面に入っている可能性がでてきていることを意識すべきなのかも知れません。

米国経済は他国に比べて、確かにかなり良好さを保っているといわれてきましたが、いかに偉大なるドメスティックカントリーで輸出がなくても自国だけで経済を回せるといわれる米国でも、他国がほとんどリセッション入りしているなかで一国だけ成長を享受できるはずはないのです。
特に今年になってから、米国の危機的な状況にある企業の「不良債権金額」が1月だけでも2850億ドルに達し、しかもこの水準は既に「リーマンショック」直後に近い水準に達しているという点は、見逃すことができません。経済状況は明らかに下落に向かっている気配です。

少なくとも2016年はドル高ではなくドル安とを変更すべき

昨年末の「FRB」の利上げとその後1年でほぼ4回、1%程度にまで利上げする市場見通しを考えれば明らかにドルと円の金利コントラストから言ってドル高が展開され2016年は大筋でドル高が進行すると多くのトレーダーが理解していたはずです。

しかし、実際には年明けからの相場はそうなっておらず、年間の利上げ折込も「CME」のFed Watchを見る限り今年12月の「FOMC」段階でも0.5%との予想確率が60%を閉める始末で、市場の利上げ予測は大幅に遠のいていることがわかります。
これはドル円の関係にも大きな影響を及ぼしますし、決していい情報がでてこないユーロで見てもユーロドルはじりじり値を戻す傾向にあります。
全体的にドルは、「すべての通貨に対してドル安の動き」を見せていることをしっかり認識すべきです。 

相場の動きに順張りでついていくしか生き残る道はない

市場経験の長い金融関係者の多くがおかしいと思い始めているこの相場状況ですから、今後もさらに異変が生じることは容易に予想できます。

しかも異変はプラスに働かないマイナス方向のもの主体となりますから、下落に対する心構えと不意のショートカバーに十分注意しながらこのトレーディング相場を乗り切っていかなくてはなりません。
そのためにはここ2年以上定着してきてしまっている、下落時の逆張りという手法を封印することが重要です。戻り売りの逆張りはある意味瞬間的な逆張りでありトレンドベースでは順張りになりますから、下落時の逆張り買い向かいだけはとにかく当面封印することが重要となりそうです。
また、上下両方向をとりにいくことから、下落中心で相場に参加するといった明確なトレード方法の変更も有効になりそうです。
恐らく3月の日米欧の「中央銀行」の決定会合の内容をすべて消化しても、さらに下落が続くようであれば本格的な流れが変わってしまったことを認識せざるをえなくなると思われます。
(この記事を書いた人:今市太郎
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