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このゴールデンウイークは序盤から大方の予想どおりドル円が大きく下落し、ユーロドルが1.16に届くという怒涛の急展開が見られたことから、さらなるドル円の下押し、ユーロドルの上伸を狙ってポジションを保有したままだった方もさぞや多かったことと思います。
しかし、4日ドル円は相場の薄いオセアニアタイムにいきなり107.500円レベルに近いところまで跳ね上がり、殆どのストップロスをつけた上に売りもクリアしてしまったため、その後は同じレベルまで買い上がることもなく、しかもショートがほとんど切れてしまったため不安定な動きに終始しました。
またユーロドルもいきない1.16を超えたので少なくとも1.15レベルで底固めをして再上昇かと思われましたが、ドル円とは逆に1.14台に沈み込む形となっており、前半で大きく儲けられたプレーヤーほど後半で損失を抱える格好になってしまいました。
なんといっても市場参加者が少ないことから起きる特別な相場現象で、GWならではと言えばそれまでですが、連休も為替で一儲けと思っていた方にとっては散々な相場になってしまっています。
ここからはドル円も下値を大きく試しに行く状況ではなく、一旦はこの日銀起因による下落相場も一息つきそうではありますが、6日は東証も久々にオープンしますし、早くも「米国雇用統計」も待ち構えていますので、相場の動きをどう考えるのか思案されている方も多いことと思います。
そこで6日、週明けからの相場展開について今回はまとめてみたいと思います。
基本は何も変わっておらずドル円の戻りは重い
4月28日の「日銀政策決定会合」の暴落前の水準から、今回底値をつけたところの38.2％戻しがほぼ108円を切れるあたりであり、半値戻しが実現しても108.712円レベルですから戻りを試すとなってもかなり上値が重い状況であり、今ある買い量だけでは61.8％戻しには到底及ばないのが現状です。
週足や月足でみるとなんら状況が変化していないのが今のドル円ですから、108円程度まで戻しても誤差範囲に過ぎず、下値を試す可能性はまだまだ残されているといえます。
やはり日銀の政策決定でなにも出なかったことは、かなり相場に大きな影響を与えていることがいまさらながらにわかります。
前回雇用統計では上昇したレベルが戻り売りの標的に
既にかなり過去のことのような印象がありますが、4月1日の「雇用統計」では非農業部門雇用者数が市場予想＋20.5万人を上回る＋21.5万人、失業率5.0％に悪化、平均時給＋0.3％に改善しました。
発表直後、ドル円は112円40銭へ上昇したもののドル売り圧力が強く大きく下落、111円80銭へ急降下して買いオーダーで支えられ、112円台へなんとか戻すといった荒っぽい動きになりましたが、ここのところ続く「雇用統計」で上げても相場が続かない状況の典型例となってしまいました。
今回も同様な動きになるのかどうかが注目されるところですが、前述のように結果を受けて上昇しても108円台中盤程度であればその後下落に追い込まれる可能性は強く、逆に弱い数字で107.500円すらも超えられないとなると週明けのドル円相場はまた徐々に下値を追う形になる可能性が高まります。
当面ドル円は丁寧な戻り売りに終始
ということで、とにかく大きく戻ったところはしっかり売りで入ることが比較的安全な利益確定チャンスになってきそうです。
105円台をやっているだけにいきなりそれを下回るレベルまで下落が加速するかどうかは微妙ですが、伊勢志摩サミットに合わせて官邸がなにか政策対応をしてくるまでは、特別ドル円を買い上げる可能性は低く、万が一英国のEU離脱でマイナス報道がでればドル円もポンド円とユーロ円の下落につられる可能性がありますので、高値圏で売り持ちしておくのはいろいろな利益機会に恵まれそうです。
ただしストップロスはしっかり置いて、何かの材料で持ち上げられた場合にはしっかり売りなおしをする覚悟で臨みたいところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
