怒涛の7月最終週がやっと終了しましたが、これを読まれているみなさんはご無事で週末を迎えられているでしょうか?
黒田会見を経ても103円台から104円を伺う比較的のんびりした動きとなったため油断していたところ、NYタイムで「GDP」の速報値がめちゃくちゃに悪く「LONDON FIX」に向けてまたしても下落、下がりだしたらもはや救いの手はこない状況で、明け方の4時前に101円台に突っ込み多少もどして週末を迎えるという、今週の悲惨な動きを象徴するかのような終わり方をしています。
8月ドル円は新たなレンジを形成か
8月は、やはり予想通りドル円の相場レンジが下落しそうな気配です。金曜日の値動きを見るかぎり105円を突破するレベルまで戻すのは相当な努力が必要となってきており、今のままではむしろ下方向が拡大するレンジを形成しそうな勢いです。
8月は場も薄いですから、いきなり突っ込み売りに直面する可能性も強く、105円から95円の10円程度のレンジを見ておく必要がありそうです。
2日には総合経済対策が発表になりますが、その事実よりも事前のリーク報道で再度相場が戻すことが考えられ、その戻り高値が絶好の売り場となりそうな状況です。
市場参加者を瞬殺するアルゴリズムに厳重注意
7月最終週とくに目についたのが「アルゴリズム」の非情な動きでした。以前から常に相場を脅かす存在のアルゴリズムですが、一定のロジックで動くというだけではなく、報道に瞬時に反応して必要以上に動いてしまう「オーバーシュート」気味のアルゴ取引はもはや目に余る勢いとなっています。
そもそも「アルゴリズム」自身は瞬時の取引のことをさす言葉ではなかったのですが、こうした高速取引がすっかりアルゴの定番となってしまった感があり、果たしてこれを運用している「ヘッジファンド」勢も本当に儲かっているのかいないのかよくわからない状況で、激しい上下動だけが連日繰り返される結果となっています。
BREXIT騒動で東京タイムに大きな動きがでてからというもの、東京の「仲値」に向けても妙に激しい動きがでるようになっており、25日も必要以上に9時55分の仲値でドル円が買い上げられてしまうなど気の抜けない動きが加速しています。
25日週は相場を見ていますと既にかなり市場参加者が減っている感じで、それだけに相場の動きは必要以上に大きくなりがちで、メディアのどうでもいい観測報道に対しても「アルゴリズム」は異常とも思える反応を見せることから買いあがりが頻繁に起こることとなりました。
とくに50年債報道で107円中盤まで買いあがり、否定報道でまた下落するといった茶番のような動きはこの典型で、しかも誤発注なのか、わざとなのかは依然はっきりしないものの29日の朝7時半に起きたような大幅な下落がありますと、完全なストップ狩りとなってしまい、その後の相場もまともには動かないことが多くなってしまいます。
今回の「日銀の政策決定会合」でも意外に下落幅が小さかったのはこうした事前のアルゴによる投げと踏みの応酬相場がほぼ一週間続いて、そもそも日銀プレーでしかけようとした「ヘッジファンド」勢自体のポジションがそれに巻き込まれて痛んだことも大きく影響しているように思われます。
不必要に余分なポジションは持たずドル円徹底戻り売りが基本の8月
ここからはさらに場が薄くなることが予想されますので、とにかくレベル感だけでポジションを持つことはやめにして、高く戻したらしっかり売りもちをして様子を見ることをお勧めします。
また上述のように「アルゴリズム」が存在するとせっかく下げた相場も大きく吹き上げるといった不埒な動きが出やすくなりますので、利益がでたらしっかりリカクして手堅い売買を続けることが重要になります。
とくに観測報道などのヘッドラインに反応したアルゴの動きは、市場で追随する者がいないため自律的にある程度下げることが多くなりますので、必要以上に噴いたときはもっとも高値をしっかり見抜いて売るのも結構利益になります。とにかくやり方を工夫してなんとか乗り切っていきたい相場です。
(この記事を書いた人:今市太郎)