サウジは自国の都合で石油価格を元に戻したい事情が
サウジアラビアは10月に入って175億ドル(約1兆8100億円)規模の起債を行っていますが、これは新興国による債券発行では過去最大のもので、原油安で悪化した財政の立て直しの資金として調達を決定したものです。
減産、時すでに遅しの声も
今回仮に減産が合意に至ったとしても、この減産による世界の需給不均衡是正効果は限定的との見方がエネルギー専門家の中では強いのもまた事実です。
WTI原油先物価格の史上最高値肉薄に加担したヘッジファンド勢
こうした中で、「OPEC」の減産合意を受けていきなり「WTI」の原油先物を大きく買い上げたのが今年利益のでていない「ヘッジファンド」勢で、「CFTC」の発表している「WTI」の先物ポジションはすでに2014年6月にマークした458,969枚に肉薄するレベルになっており、需給面ではファンドが買い上げに貢献したものの、実際の原油需給がここから大きく改善する可能性はかなり低くなっているのが現状です。
原油価格が崩れると米国株価も一緒に下落
10月に入ってもほとんど下押ししないまま高値を継続させている米国の株式市場は、まさに原油価格に支えられている部分が大きく、11月末という微妙な時期にウイーンでの総会での調整がつかずに原油価格が崩れることになれば、株価の大幅下落の引き金にもなりかねません。