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歯止めの利かないトランプの大統領令乱発

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Photo AP
トランプ大統領はすでに就任後14の大統領制令にサインしていますが、どうもやりすぎの感が否めないものも登場し、既に大混乱が始まっています。
そのひとつが難民や中東・アフリカの一部諸国からの入国を一時停止する大統領令であり、米国内外の空港などで米入国が認められず拘束・搭乗拒否された人が各地で溢れ替えるなど、混乱が始まっています。
ニューヨークの連邦地裁判事は、有効な査証(ビザ)を持つ人の送還は認めないとし、大統領令の効力を部分的に停止する判断を28日に示していますが、すべての週で統一的な見解がでているわけではなく、また合法性についての見解は示されていないことから、当分この混乱は継続しそうな雰囲気です。
今のところ大統領令で最大のトラブルになっているはこの入国拒否の問題ですが、これからも何が登場してくるかはまったくわからず、日々リスクの高い為替取引に向き合わなくてはならなくなってきているといえます。
これまで米国起因でこうした不安定な状況が日常的に起きたことはないだけにドル円を主体で取り組む本邦の個人投資家にとってはかなりストレスのたまる毎日になりそうな予感がしてなりません。 

当然為替市場はリスクオフ

このトランプ政権下の市場では土日に何が起こるか全くわからないため、ポジション、とりわけドル円のロングポジションなどを週またぎで保有し続けるのはかなりリスクが高まりつつありますが、とうとうそうした事態が始まっており、この先の相場展開が実に思いやられる状況となってきています。

今週の週明けも案の定窓空けでスタートした相場は窓を埋めにもいかない状況となっています。
とくにアラブ諸国とこうしたことでもめることはテロを含めて米国への憎悪を闇雲に高める結果になりかねず、リスク回避となればすぐにドル安円高が示現するドル円の通貨ペアの取引は想像以上に取引リスクが高まりつつあります。
この原稿は東京タイムで書いていますので、ここから先ロンドンタイム以降にどれだけ下押しが始まるのかはまだよく判りませんが、1円、2円程度上伸しば分はあっという間にこうしたことで吐き出す結果となりかねず、かなりやりにくい相場が延々と続きそうです。

側近もこぞって大統領令を評価する危うい政権

トランプの政策をめぐっては全てを否定することはできず、評価できるところは市場も積極的に評価する姿勢を見せていますが、今回起きているような稚拙なオペレーションによる当該諸国との不必要ないざこざがエスカレートするのは非常に金融市場にとってもよくないことです。

しかもトランプ政権になったとたんにこの調子ではリスク管理がまったくできないといっても過言ではなく、ドルストレートは須らく同じリスクに直面しているわけですから、かなり為替取引に手を出しづらい局面になってきていることは間違いありません。
しかもこうした人為的に繰り広げられる問題行為を側近も積極的に評価する姿勢を見せており、周辺でトランプの動きを止めにかかる存在がいないことも詳らかになってきています。
計算ずくでやっているのか現象的におきているのかよくわからないこうした大統領令の思慮を欠く連発は想像以上に問題であり、既に欧州圏の各国からは明確な批難の声も上がっています。こうなりますと益々長い時間足での取引は危険になり、とくにドルストレートをロングで持つことはかなりのリスクを抱えることになるという点を改めて認識しなくてはなりません。
今週は「FOMC」も「日銀政策決定会合」も「米国雇用統計」の発表も控えていますが、この調子ですとすべて材料はトランプ次第になりそうで、これまで以上に注意あ必要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎
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