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29日にはいよいよ英国メイ首相が正式に「BREXIT」を宣言することになりますが、市場では海外メディアや外国人投資家を中心として「ABEXIT」なる言葉が流行りはじめています。
中身はずばり安倍首相の退陣の話で、一連の森友学園やほかの学校法人における類似したケースなどがかなり嫌気され始めている状況がかなり顕著になってきているのです。
アベノミクスなどというネーミングもよろしくない状況
国内の市場を粒さに認識する本邦勢の投資家にとっては「アベノミクス」などという名称は単なる記号であり、中身は日銀による「金融緩和」以外なにもないこと、また安倍首相が退陣しても行方不明になったとしてもこの「金融緩和」には何の影響もないことは百も承知の内容といえます。
しかし、海外では実際の能力は別としても非常に安定的に長期性感化を目指すと予想されていたこの首相が、森友学園のような不可思議な内容に夫婦で関与して足もとを救われるというのは、かなり国内投資に対して食傷気味にならざるを得ない内容であり、安倍首相はほとんど意識していないのでしょうが、だれしもが第一次安倍政権の突然の終焉をイメージしはじめていることは間違いないようです。
本来リスクがあれば当該通貨は売られるものだが・・
一般的に考えれば、リスクのある国の通貨は売られてしかるべきですが、日本株から外国人投資家の投資が大きく撤退した場合には、為替も同時期に連動してドル売り円買いとなる可能性はかなり高く、アベグジットで仕掛け的にドル円が下落する動きになるリスクは考えておく必要がありそうです。
またこのネタで総選挙ともなれば結果はともかく、またドル円が円買いに動いて下落することも考えられ、どうもあまりいいことはなさそうな相場展開を予想しておく必要がありそうです。
日銀が緩和の出口を口にすれば日本発の暴落もありうる
嫌なのは、日銀がこの先緩和措置の出口を一体どうするつもりなのかの問題です。
「ECB」が本格的に緩和をやめて出口を探しはじめることになれば、日銀だけがひとり「マイナス金利」をはじめ「ゼロ金利」の釘うち政策を継続するわけにはいかなくなりはじめますが、ひとたび国債の購入中止や「ETF」の買い付け減額から終了を口にすれば市場は大混乱となることは間違いありません。
よほどの戦略的な政策がない限り日銀は簡単に今の政策をやめるわけにはいかないわけで、こちらのほうが安倍首相が退陣するよりも100倍以上大きな問題になることは間違いありません。
したがって現実的なリスクは日銀の緩和政策の続行不能状態のほうが断然心配なネタになりますが、海外の市場参加者はこの政策を安倍総理の存在になぞらえてイメージしているわけですから、実に厄介です。
どういう決着がはかられるのか海外勢は興味津々
日本語で報道記事を読んでいても誰が本当のことを言っていて、だれが嘘つきなのかなかなか判断がつきにくい状況ですが、問題のレベルがかなり低く、しかも登場人物が実に如何わしい点だけは日本語がわからない海外メディアでも十分に感じ取っていますから、この話しにどのように決着がつけられるかについては国内のみならず海外でも相当な関心をもって見られていることだけは認識しておく必要がありそうです。
既に海外勢からは安倍首相の退陣もありうると思われ始めている点は、見逃すことのできない大きなポイントです。この話しひとつとってみてもドル円には上昇を支援する材料が少なく、ややもすれば円高に振れかねない状況であるという点はあらためて意識しておく必要がありそうです。
しかし「アベグジット」という言い回しはだれが考えたのか知りませんが、相当ごろがよく収まっている点も流行りそうな名称になってきているといえます。
（この記事を書いた人：今市太郎）
