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為替相場のほうはご存知のとおりどんな材料がでてきてもほとんど反応することがなくお休みモードの相場で欧米勢の半期末決算が近いことが関係しているのか、ほとんど動かない相場状況です。
どこかでレンジから逸脱したら一回は損切りを覚悟してドル円を延々と上下で逆張りし続けますと111円手前と111.400円あたりを行ったりきたりしてくれるので長時間事務的にやっていればそれでも1日に2円近く取れるというなんとも皮肉な状況です。
こういうときこそリピートイフダンの仕組みが機能するのかもしれません。ところで東証が発表している投資主体別売買動向をご覧になるとわかりますが、たいした材料もなく2万円台を維持しつづける足元の日経平均は、結局のところ日銀だけが買っており、事実上の日銀相場になりつつあることが鮮明になってきています。
個人投資家はもとより本邦勢も外人投資家も須らく売りに回っているのを買い支えているのが日銀様ということで「FRB」の景気見通しウルトラ楽観論も相当変ですが、この日銀の狂ったような「ETF」による株買いもこの先の出口を考えたときにはとんでもないことになりそうな様相を呈してきています。
日経新聞の報道ではすでに上場企業の4社に1社で日銀が安定的大株主の座を確保しているようで17兆円も日本株をもっていればそりゃそうでしょうよという驚くべき状況になりつつあります。
一言で言えば日経平均は日銀平均ということになるわけです。明確には発表されていませんが、すでに日銀が筆頭株無視の会社もかなりではじめているようで、ある意味では中国以上の世界有数な官製相場になってしまったことがよくわかります。
日経平均とドル円が連動しないのは日銀買いのせい
日銀だけが買い支えてあとの投資主体がみんな売りで利益を出すというのも実に妙な相場状況ですが、ダイナミックな市場の動きで2万円に到達しているわけではないので、相場の相関性が崩れるのは当たり前で、日本で株と為替が連動しないのはここに大きな原因があるようです。
為替のは四六時中「アルゴリズム」が働いていますので株に変化があると東京タイムでは多少ドル円が上下に左右されますが、それ以外の時間帯はそもそもドル円が市場のテーマ通貨にはなっていないことから、クロス円の動きに大きく影響を受ける始末で、なんともわかりにくい相場が連日継続中です。
この先大暴落で大量の含み損を抱えたりどこかで「FRB」のように出口論が浮上してきたときに、この実にいびつな人工的価格操作相場がどのように終焉してしまうのかを考えると空恐ろしい状況です。
「中央銀行」といえば経済と金融市場に精通した専門家の集団で、かなり手堅い政策をタイムリーに打ち出してくる集団というイメージがありましたが、どうやらそういうことではないということが近年かなり明確になりつつあるように思えます。
何年やっても2％ほどの名目インフレ率さえクリアできない「金融緩和政策」をとる日銀は一貫して強気の見通しを出していますが、まったくクリアしない状況で、最近では「FRB」「イエレン議長」の見通し発言もこれに似てきたと揶揄する向きがでてきているほどで、権威ともっともらしさを取り繕うことには異常な力を発揮しているようですが、どうも実態はかなりお寒い状況なのではないかと心配になります。
日本におけるバブル期の最期も株式相場はまったくネガティブな材料を意に介さず上昇を続けましたが、米国の株式市場はほぼそれに近い状態で、日本はそれとはまた関係なく日銀が延々と支えているからもっているという妙な状況が継続中です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
