7日に発表された米国の「雇用統計」は、非農業部門雇用者数が前月比+22.2万件と市場予想の+17.8万人を上回る結果となり、4月と5月の2ヶ月で47000人上方修正も出たことから数字的にはかなりよかったものの、賃金の伸びは6月平均時給は前年比+2.5%と、5月から上昇したものの予想の+2.6%を下回る結果となったことから結局ドル円の上伸は抑えられる動きとなってしまいました。
ただ、その後はユーロ円の上昇を背景にドル円も上昇し投機筋が必死に買い上げたきらいもあり、とうとう114円に乗せる形となしました。
ただ、週末ということもあり「London Fix」以降はあまり迫力のある展開ではなくなり、結局114円割れの113.905円レベルで週の取引を終えています。
7月第一週はすっかりユーロ円が主役の相場に
ところで7月に入ってから「ECB」が本格的に金融緩和の出口に向かうのではないかとの憶測からユーロを大きく買い上げようとする投機筋の動きも見られ、円がとにかく一人負けのような状態で売られる相場が続いています。
ユーロが対ドルでも大きく買われ、クロス円全般で円が売られる展開から結果的に非常に強くなってしまったのでユーロ円で「雇用統計」後のNYタイム午前一時にはなんと130円の高値を突破するという動きを示現させてしまいました。
ドル円の動きの1.2倍から1.5倍レベルに増幅されて上昇するユーロ円は非常に上値追いが激しく、足元の相場ではもっとも売買妙味の大きな通貨ペアになろうとしています。
おそらく週明けの相場でもユーロ円の買い意欲は継続するものと思われますので、ユーロ円が引っ張る形でドル円、ユーロドルが動いていくことが予想されます。
先進各国中銀の利上げ意欲が高まっているように見えるが・・
今月に入ってから急激に先進各国の中銀による利上げ意欲が高まりを見せているように見え、緩和措置がまったく考えられない日銀の配下で円だけが取り残された状況がかなり強く相場に現れるようになってきています。
ただ、「ECB」にしても今の状況で本当に利上げができるかどうかはまだまったくわからないところにありますし、「FRB」も9月以降資産の縮小やさらなる利上げにこぎつけられるかどうかはまったくわからないことから、このまま円だけが弱い状態が継続するかどうかはもう少し市場をチェックし続けないと断定はできないのが正直なところであろうと思います。
当面クロス円の上昇について行きつつも相場の反転に注意か
米国の株式市場は多少の調整があっても大きく崩れる動きは見せていません。
ただ、これまで相場を牽引してきた「BIG5株」などはやはりピークをつけた感が否めず、すでに他の銘柄とは別に調整局面に入ってきていることだけは間違いなく、ここから相場全体がいきなり下落に入るタイミングがどこに現れるのかが非常に気になるところです。
現状ではさすがに常に売りポジションをもってその瞬間を待つというわけにはいきませんが、115円方向に動くドル円が年初来高値を超えてさらに秋口に向けてこのまま上昇すると考えるのには相当無理があり、依然として常に下方向を意識しておく必要がありそうです。
足もとではドル円にしても高値になると下落を意識して非常にショートが溜まりやすく、連日のようにショートカバーがでる瞬間が見られていますが、逆に下がらないからロングに相場が傾きはじめると今度は上がらなくなってじり安になってしまうという比較的おだやかな投げと踏みが連日示現する相場となっており、これはこれで取引しにくい状況が続いています。
プライスアクションに相当注意しながらの売買を余儀なくされそうですが、とにかく短い時間足を重視して長くポジションを持たない売買を心がけることが当面重要になりそうです。
7月も後半になりますと市場参加者がさらに減ることになりますから、稼ぐなら今のうちに売買を行っておくことが重要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)