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今週から8月相場に突入することになりますが、すでにかなり市場参加者は限定的になりはじめています。昔のことわざならば「閑散に売りなし」といって市場参加者が少ないときには売物もでにくく、相場はあまり動かずに膠着しながら時間だけ潰すことが多いはずなのですが、多くの人が休みをとろうとするときにもせっせと相場に登場して働こうとしている人がいます。
この8月相場の特徴は「そうした人たちによって動かされている」ことを理解する必要があります。
8月相場は儲かっていない人だけが市場に残る
8月相場の特徴はいくつかありますが、まずなんといっても大きな特徴となるのが儲かっていない人ばかり登場する相場だということです。
四六時中まず市場を先導して動くのがアルゴリズムですが、高速売買やアルゴリズムというのはそれだけ取り出してみると必ずしも儲かっているわけではないようで、ミサイルが発射されても雇用統計の結果が発表されてもFOMCの声明が発表されても必ず上か下の方向に動きはじめるという特徴があります。
それとともに市場に残っているのが投機筋の中で今年も前半大きな利益を得られずになんとか人が少ないときに儲けのない部分を取り返してやろうとする人たちです。
こうした人たちはこれまでの儲けのチャンスを活かせなかったわけですから市場参加者が少ないうちに無理やり自分から市場に仕掛けて動きをつくり、多くの市場参加者が相場に戻る前に元通りにして利益だけいただくという動きをすることになります。
そして意外に多く市場に残っているのが本邦勢の個人投資家ということになります。
個人投資家でも7月までで大きな利益を上げられている人たちは、何いもほとんど動かない相場時期に無理に入る必要はなく、日常的に売買するのを習慣化させている人たちがほかの月と変わらず売買に専念しているというのが正直なところでしょう。
8月の相場アノマリーは偏った参加者で作られる
国内個人投資家がもっとも多く取引しているドル円は、一般的には8月相場がなぜか下落するという傾向があります。
比較的明確な理由としては8月に米国の債券の金利が払われるので15日に向けて円転需要がでるというのはありますが、最近はかなりそうした動きが顕著に出る穂とではなくなっているので、もっぱら人為的要素が大きく作用しているものと考えられます。
8月の1日の始値と31日の終値だけみますとそう大きく動いた感じはしないのですが、本邦勢が完全休業状態となるお盆の時期だけは確かに一旦大きく売り込まれることが多くお盆明けまでには相場が戻ることも多いのが実情です。、
今年でいいますと山の日が11日金曜日で、週明けの14日、15日あたりがかなり危なくなるはずです。
市場参加者が少なければ週明けに窓空けを作り出すのも比較的簡単ですからこの時期に妙な動きがでることには注意が必要になりますし、せっかくならご相伴にあずからせていただき儲けを分けていただくのもひとつの考え方です。
今週末また米国の雇用統計が発表されますが、最近では雇用統計後の動きは1円にも満たないですし、限られた市場参加者の中でドル円を上昇させたいと思っている輩が多いと結局London Fixあたりから無理やり買いあがるといったことも見受けられます。
夏枯れの8月の金曜日NYタイムの午後ともなればこうした動きに拍車がかかる可能性が十分で指標の結果よりも相場が上げようとしているのか下げようとしているのかを見極めるほうが大切です。
ということで8月相場の特徴として「へたくそなプロと個人投資家とアルゴリズムの鬩ぎあいであること」これを最初から十分に意識して取り組む必要があります。
理解不能で理不尽な動きが出るとしたらその背後に故意に仕掛けている参加者がいることを思い出す必要があります。
しかもこうした参加者の更なる特徴は、買ったものはかならず売り戻され、売られたものは買い戻されるということです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
