週明けの東京タイムはかなり落ち着いた雰囲気での売買スタートとなっていますが、事実上今年の最後の取引週になりそうな今週は、どうも市場に残った投機筋がドル円を買い上げて「FOMC」までは上昇が続く可能性がでてきているようです。
とにかく市場参加者が少ないだけに、ちょっとした売買が出ただけでも簡単に市場に方向感を与えることができるだけに、こうした動きとなる可能性は確かに否定できない状況といえます。
保有ドル円ロングは高値状況示現で売却か
例年ドル円は年末に向けては需給の問題から相場が上昇しやすくなるものですが、先週も「雇用統計」の前からドル円が上昇しはじめ、数字はよくなくても大きく下げることはなく値を戻して週を終えています。
月曜の朝は若干窓を開けて上方向ですが、ここから13日(東京タイムで言えば14日の早朝まで)の短期間でドル円が上方向を目指す可能性はかなり高くなりそうです。
「FOMC」自体については市場が既に利上げを織り込んでいますから、あまり新しい材料があるわけではありませんが、現行体制最後の「FOMC」で来年の利上げ回数がどう考えられているかが明示されることから、これがポジティブな内容となれば、一旦買い上げられることはありそうで、逆に高値になったところで投機筋はおもむろに売ってくることが想定されます。
15日は金曜日ですから事実上ここで今年の相場はお仕舞いとなり、クリスマス明けまでの一週間はだらだらした動きになりそうな気配濃厚です。
投機筋はドル円があまり下がるとは見ていない?
ここへきて12月に入ってもドル円をロングで買いを入れてくる投機筋が多く、結局のところここからあまり下落するとは思っていないファンドマネージャーが多いようにも思われる市場ですが、果たしてそうなるかどうかは実際の相場を見てみないことにはよくわからない状況です。
17日には北朝鮮の前の指導者・金正日の命日がやってきますから、このあたりで北朝鮮絡みでなにか起きると相場が薄いだけにこっぴどく円高方向に下落するリスクも残りますので、確かに上昇局面は買いでついていき、高値でドテンして売り持ちしてみるというのも一つの方法になるのかもしれません。
また「FOMC」の後には「ECB理事会」でドラギ発言も控えていますので、年末最後に相場が動く材料はかなりそろっているということができそうです。ユーロの動きはあまりドル円には影響しなくなっていますが、ユーロ円が上昇すれば引っ張られてドル円も上昇する期待は残されます。
クリスマス明けに備えて原資は減らさないことが重要
ここからは極端に値が薄くなりますので、取引をするとしても十分に注意が必要になります。
ドル円は東京タイムではそれなりに流動性が確保されているものですが、それでも仲値を超えてしまいますとほとんど動きがなくなるケースが多く、ロンドンタイムまでは動かないといった状況になんども遭遇することになりかねません。
またここからのNYタイムはロンドンタイム以上に参加者が減る傾向が顕著ですから、「LondonFix」以降は迂闊にポジションをとらないといった自衛策も必要になりそうです。
ドル円はここから上昇するといっても115円を上抜けるほどの力があるとは思えず、せいぜい頑張ってプラス1円程度になるかどうかが大きなポイントとなりそうです。
114円台中盤はこれまで何度も止められてきたところがありますから、それが抵抗ラインとなることは十分に考えられ、今週一週間ということでいいますと上昇してもその後下落しても特別な事件、事故、要人発言が飛び出さない限り大きな動きになることはなさそうです。
いずれにしても大儲けができそうな環境ではありませんので、それなりの利益が確保できたらこまめにリカクしてあまり引っ張らない取引をすることがお勧めになります。
(この記事を書いた人:今市太郎)