ウラジーミル・プーチンは2000年から2008年までロシアの大統領を勤め、一旦首相に退いたあと2012年からまたしても大統領に就任し現在に至る存在で実質的に21世紀にはいってからロシアは常にプーチンによって政権が運営されている状況にあります。
この人物は元KGBのエージェント、つまりスパイであり、言うなれば映画における英国のジェームズボンドやミッションインポッシブルのイーサンン・ハントが大統領になってしまったようなきわめてレアな人物ということができます。
それだけに個人が醸し出すカリスマ性と不透明感は他の大国の指導者とはまったく異なるものがあり、習近平のもつ恐ろしさとは別格の怖さをもっているといえます。
1975年、プーチンは国立レニングラード大学法学部国際学科を卒業すると、大学の派遣によりKGB職員となり、さらにその後海外でも諜報活動を行うためKGB赤旗大学で学び、1985年には東ドイツのドレスデンへと派遣されています。
その後東ドイツには1990年まで滞在し、政治関係の情報を集める諜報活動に従事しています。その後KGBの職員から政界に進出し現在に至っています。
周辺国に悉く関与してくるプーチン
最近のロシアは自国の政治経済の問題もさることながら、周辺国に問題がおきるとなにかにつけて悉く関与してくるのがひとつの特徴となっています。
ウクライナもそうですし、トルコ、シリアといった中東のきな臭いところもしかり、OPECの産油国関連にも登場し、昨年は米国の大統領選挙にも関与したとされており、ますます得体の知れない雰囲気を醸成しているともいえます。
とくに米国ではトランプの周辺および本人がロシアゲート問題で大きく国民から疑念をもたれており、プーチンとトランプは仲がいいのかどうかという点も非常に関心が高まる状況になっています。
一方ロシア経済は過去2年低迷したものの、やっとここへきて経済成長率がもとに戻りはじめており、プーチン政権による財政赤字の切り詰め策、外貨準備高の増強、一部の国営企業の民営化や経営体質が脆弱(ぜいじゃく)な一部銀行の淘汰(とうた)などの施策が功を奏しはじめているようです。
ただ、依然としてロシア経済は原油輸出の依存度が極めて高く、今後の原油価格次第のところも大きく、それ以外の領域で大きな発展を遂げているところがない点は気になるところです。
また欧米の経済制裁がロシア国内への投資を妨げ続ける可能性はかなり高く、相変わらずなにかにつけて政治がすべての領域を覆う国になっていることがわかります。