ポジショントークには2つのものが存在します。
まず、売買ポジションを持っている投資家が、そのポジションの利益が大きくなることを願って、そのポジションが強くて利益が拡大する可能性について願望を込めた有利な説明をすることが典型的なポジショントークのうちの1つとしてあげられます。
またもう1つは、金融関連で特定商品をあつかう業者や証券会社がその商品の将来性を誇張して語ることによって、売買を促進させるという下心をもったポジショントークも存在します。
2014年にスタートしたNISAの拡販を目論んだ春先日経平均1万8000円超えなどは典型的なポジショントークであり、結果がそのようにならず殆どのNISA初期ユーザーが株の塩漬け状態に陥ったことは記憶に新しいものです。
金融市場で特定の民間企業などの利害集団に属さず、まったくニュートラルな分析をするアナリストはかなりその数が少なく、アナリスト、エコノミストが所属する会社にとって有利になるような発言をすることはもはや定石となっています。
したがって、市場全体が相場の上昇を訴えだしたりして、楽観的な予想が広範に広がるときには必ずしも実態相場はそうしたポジショントークの方向に動かないことが多いことだけは気をつける必要があります。
特に為替をベースとしたFXはゼロサムゲームであり、誰かが儲かるということは応分の損失を誰かが被っているものとなっていますので、こうしたポジショントークにひっかかると多額の損害を背負うことになりかねませんので、しっかりとした目利き感をもって人の話に触れていくことが必要になります。