現在のギリシャ問題の解決方法は、このニクソンショックを理解することによってあなたにも解決方法が見つかると思います。
このニクソンショックは端的な言葉で言い表すのであれば現在の為替制度のきっかけになった事件になります。
ニクソンショック
1971年8月15日に当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンは金とドルの兌換の停止、10パーセントの輸入課徴金、価格政策等を発表しました。それまでの通貨政策というのはブレトンウッズ体制といわれ、簡単にいえば金本位制度でした。
たとえば、アメリカドルをもっていればそれをいつでも金、ゴールドに変えることができる制度になります。これを兌換制度と呼びます。
つまり、通貨の信用の源泉はゴールドにあるという意味です。それを当時の大統領、ニクソンが金とドルの兌換の停止を発表したわけですから通貨の信用、つまり、アメリカドルの信用が地に落ちた事件と言っても過言ではないでしょう。
日本の対応
ニクソンの声明を受けて、その約2週間後に変動為替相場を導入しました。これにより、戦後ドル円レートが固定相場になっていましたが崩壊して変動相場に移行をしました。
アメリカの凋落と、アジアの隆盛
この背景にはアメリカの凋落が挙げられます。日本は戦後から1970年代まで急成長を遂げ、他の各国も成長を続けました。しかし、アメリカはベトナム戦争等で疲弊し国力が弱っていました。
日本のドル円レートは戦後間もなくのレートと1970年代のレートが同じなのですが、国力が雲泥の差になります。現在のギリシャが単一通貨ユーロを選択する限り、アメリカのように凋落していくことになると思います。