仲値とは、銀行などの金融機関が顧客との外貨取引を行う際の基準レートのことをいいます。個別の事業者との取引のたびに銀行に問い合わせているやりかたでは煩雑となるため、その日の取引レートを決めることとなり都市銀行を中心にして仲値という制度ができたのです。日本時間の9時55分がこの仲値の決定時間となります。

見逃すことが出来ない時間帯

仲値はインターバンクの取引レートを基準にして個別のメガバンクごとに決定され、少しずつその価格は違うことになりますが、市場では「三菱東京ＵＦＪ銀行」の値がよく公表されています。

仲値で決定された取引レートはその日一日の間適用されることになります。厳密には翌日の仲値が決定するまでは利用されることになるのです。通常仲値から1円以上の大幅な為替変動があった時のみ仲値は公表停止となり、改めて実態相場に合わせて仲値の決定が行われますが、よほどのことがないかぎり改定は行われないのが基本となっています。

毎日仲値の発表される9時55分に向けては実需を中心として売りと買いが集まるようになるため、ドル円をはじめとして相場が大きく動くタイミングになり東京時間のFX取引ではもっとも注目されるタイミングとなります。

特に5～10日と呼ばれる決済日には大きなフローが登場することになり、需給のバランスによっては為替が上昇することも考えられることから注目される取引時間帯となっています。

また中小で事前に為替予約ができない実需の業者は仲値の価格が決まったあとで売買を持ち込むことが多いため、10時半以降に取引が活性化することもあり、見逃すことのできない時間帯となっています。