1990年代後半に経営破たんに追い込まれたり、業績悪化を招いたりした企業の株式を徹底的に買い叩いて購入し、資産価値を上げて第三者に売却するファンドのことを「ハゲタカファンド」と呼ばれるようになりました。
2007年にはNHKで同名の企業買収をテーマとした、作家真山仁氏脚本のドラマがオンエアされて話題となっています。このドラマは後に、映画化されており続編を望むファンも多いようです。
私もその一人であり、主演の大森南朋さんの演技力には、随分と引き込まれました。
ヘッジファンド全てが儲かっているわけではない
最近では企業買収だけではなく株や債券、為替、コモディティをはじめあらゆる投資側面に登場するファンド勢が、このように呼ばれるようになっています。
実際には投資ファンドであったり、ヘッジファンドであったりと、ハゲタカには様々なプレーヤーが存在しますが、その中でもヘッジファンドはすべてが儲かっているわけではありません。
むしろ、最近では多くのヘッジファンド大量の損失を抱えることになったり、または、閉鎖に追い込まれたりと自らの存在すら危うい状況が多く、ハゲタカ自身安定的な存在ではないという皮肉な状況を作り出しています。
プロの集団でも動きを見誤るケースが多くなっている
これは金融市場が完全にグローバル化し、あらゆるファクターが連鎖しながら動いていくため、ひとつの投資視点や戦略ではプロの投資集団でも、その動きを誤る可能性が高いことを示唆しています。
ハゲタカの没落は「マネーゲーム化した」と揶揄された金融投資が、非常に複合的な要因で動いていくことを実感させられる状況ではないかと思います。